novel1-2

□万歳!忘年会
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全くもって、ロイには信じられなかった。
何故エドが先頭に立って飲み会の準備等する気になったのか。
いや、その前に未成年に飲み会の準備をさせても良いのだろうか。
その辺が引っ掛かったのをフュリーも見越して言った。
『あの、一応未成年のエドワード君に飲み屋の手配させるのはどうかと思って止めたんですが、「国家錬金術師だし」と銀時計を見せられるとどうにも…』
自分が年齢的にはまだ子供であることは理解しているが、銀時計がその身を子供以上と証明する道具として扱うのがエドらしい。
経緯は良く解った。
しかし、予定が今週末に迫っていても尚、ロイの所に話を持ってこないのがおかしい。
『エドは私を呼ばない気だろうか…』
ふと口に出して呟いた声が、ロイが自分でも驚くほど悲壮感が感じられる響きで、フュリーは尚更ドキッとしたようだった。
慌ててフォローを入れる。
『いえ、あの、エドワード君のことだから、ギリギリまで大佐には内緒にしておいて驚かせるつもりだったんですよ!』
果たしてそんな可愛い事をしてくれるだろうか。
それよりは余程、自分抜きの忘年会を本気で計画している方が考えられる。
何だかロイは悲しくなってしまった。
『大佐、そんなに気を落とさないで…』
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