novel1-2

□万歳!忘年会
4ページ/17ページ

フュリーが一人、ロイの前でオロオロしていた。

☆☆☆

『何だ、もう聞いちまったのか…』
面白くない、皆に口止めしとけば良かった、と夕方ロイの定時直前に司令部に現れたエドがロイの前で口を尖らせていた。
『エド、私抜きでそんなに忘年会がしたかったのか?』
悲しいことだがはっきりさせていたくて、ロイはエドに尋ねた。
エドは上目使いにロイを見て気まずそうに答える。
『違う!ただ、お前ら全員揃って忘年会やったことないんだろ?…今年はオレも、せっかくこのシーズンにここにいる訳だから、たまにはそういうイベントやってみても面白いかもなって…お前にはギリギリまで黙っといて、直前に…驚くだろうなぁって…』
エドの声は次第に小さくなって、しまいには尻切れトンボに終わってうつむいてしまった。
それは、自分の悪戯が失敗に終わった事への無念さというよりは、一見子供じみた企みだがロイを楽しませる為の計らいだった事がバレたことによる恥じらいが大きかったらしい。
ロイも、いつになくエドが自分をもてなそうとしてくれていた事を知り、見る見る口元が緩んでいった。
『エド、そうだったのか、すまない。私はてっきり君に嫌われてしまったのかと…』
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ