novel1-2

□軍部的人生ゲーム?
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ロイが早めの昼食を終えて、特に仕事をする気ではなかったが司令室に戻ってくるといつものメンバーが部屋の隅に固まっていた。
『何だ?』
何をしている?と歩み寄るとロイに気付いて振り向く中にはエドの姿もあった。
エドはロイの姿を認めると『役者が揃ったな』と満足げに笑みを浮かべた。
見ると皆が集っている中心にはどこから持ってきたのか折り畳み式の簡易テーブルが置かれていて、その上に何やら広げてありちらかっているのだが…。
『何だ、それは?』
ロイが顎で指し、険しい顔付きで尋ねる。
エドが何故か胸を張って答える。
『人生ゲームだ。しかも軍人版』
聞いたところで一層謎が増す。
『人生ゲーム?』
ロイが聞き返すと、その広げたボード上の駒を触ったり、説明書に目を通していた部下の一人、ハボックが間の抜けた声で言った。
『一般に売られている人生ゲームを軍人向けに改良したもんっすよ』
ロイはそもそも『人生ゲーム』の存在は知っていたが実際にやってみた事はなかった。
元のゲームを知らない以上、そこから派生した物を想像するのは無理だった。
ピンと来なくて反応のないロイに代わってブレダが言った。
『しかし大将も、良くこんなもん見つけたよな』
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