novel1-2

□軍部的人生ゲーム?
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一般のものであれば企業の平から課長へ、社長へと出世するところが、このゲームでは軍曹から大総統へ上り詰める。
それが軍人向けと称される訳だろう。
『因みに勝ち負けはゴールの順じゃなくて、上がった時点での階級だからな』
エドは始めの説明を終えるとフュリーにサイコロを手渡した。
『じゃ、先ずはフュリー曹長から』
フュリーは渡されたサイコロを何度か掌で転がすと、ボードの上に放り出した。
『4ですね』
フュリーはピンクの駒に手を延ばし、4つ分、マスを進んだ。
全てのマスには、それぞれにそこに止まった者への指示が書いてある。
フュリーは勿論、周りも皆一斉にそのマスに注目した。
フュリーが声に出して読む。
『前線に向かうことに。3回休み……いきなり休みですか?』
フュリーが情けない声を出す。
『まあまあ、勝負は順位じゃないから』
エドはなだめておいて、次はファルマンを促した。
ファルマンがサイコロを振ると出た目は3。
『1、2、3』
数えながら止まったマスの文に注目。
『テロ組織を制圧。功績を認められ一階級昇級。更に報酬5千センズ受け取る』
おおっ!
ささやかながら、皆歓声を上げた。
『喜ばしい事件もあるって事だな』
ブレダが呟く。
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