novel1-2

□大佐の師走U
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『ちわーっ!ハッピー・ニュー・イヤー!』
バンッと派手に司令部のドアを開けて姿を現したのはエド。
一歩後ろにはアルの姿も見える。
『あけましておめでとうございます』
アルの方は丁寧に挨拶をした。
新年、明けて初の司令部訪問。
中にいたいつもの司令部の面子は揃ってにこやかに『おめでとう』と返してくれる…はずだったのだが。
皆、それぞれ手にしている雑誌のようなものを凝視して固まっていた。
フュリーだけが辛うじてエドとアルに『おめでとう』と一言小さく返してくれた。
エドは皆の態度が気になりながら一歩室内に入るが、奥の席にはアイツの姿はない。
執務室だろうか。
『何?何読んでんだ?』
エドは気になって、手前にいたハボックを斜め後ろから覗き込んだ。
それは普通に書店の軒先に売られている雑誌の類いに見え、ハボックが開いているのもその見開きのカラーページに見えたのだが。
何をそんなに熱心に見入っているのか。
エドはもっとよく見ようと顔を突き出して更にハボックの脇に身を寄せた。
そして飛び込んで来たカラー写真の胡散臭い笑顔に全身に鳥肌が立った。
『ゲッ………』
何だこりゃあ?
エドは、そのカラーページの見出しと思しき太字の文に目を通す。
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