novel1-2

□大佐の師走U
3ページ/15ページ

『ロイ・マスタング大佐大特集…って何!?』
アイドルデビューしたのかという勢いだ。
『うわぁ、大佐凄いねぇ』
アルが後ろから感嘆の声を上げた。
『何やってんだよ、一体…』
納得いっていないエドにフュリーが呟いた。
『ああ、そうか、エドワード君は先月の取材の時、いなかったんだなあ』
ロイはつい先月の師走に入ってまだ間もない頃に広報部から取材を受けたのだが、その3日間エドは一度も司令部に現れなかった。
確か中央には滞在中のはずではあったが。
『ちょっと貸せ』
エドは手荒にハボックからその冊子を取り上げた。
そして一度表紙を見る。
『中央司令部・大総統府月報。2月号?』
エドが疑問形でそのタイトルを読み上げる。
『軍が出してる月刊の社報だよ』
ハボックがタバコに火をつけながら言った。
『大佐が載ってるのは、毎月どこかの司令部の軍人一人をピックアップしてインタビュー記事を載せるコーナーなんだけど、今月はうちの大佐が選ばれたって訳』
深くタバコの煙を吸い込み、たっぷり味わってからゆっくりと白い煙を吐き出す。
『そして何故か今月に限って見開きセンターカラー、大特集まで組まれてる』
付け加えた口調は溜息交じりで複雑な表情だった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ