novel1-2

□St.Valentine(Jan side)
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そうだ。
大佐が外で見せている男前な姿だって、演技力とそれに見合った容姿を兼ね備えていなければならない訳であり、少なからずそれにはそれなりの才能と技術を身につけていなければならない。

…オレには、そんな知恵も技術もないし。

モテるには、やっぱり何らかの努力が必要なんだろうなぁって、毎年特にその日は思い知らされた。

たとえそれが嘘偽りの飾った姿であっても、人目を引かなければ内面まで見てもらえない。
大佐はその点生まれつき得してるよなぁ。

悔しいけど顔は良いし。

オレ垂れ目だし。
垂れ目のブーム、来ないかなぁ…。

やっぱ見た目が全てなのかなぁ?
そうすると、ひょっとしてあの人は、もし普段の素行の悪さとひねくれた性格が人の知れるところとなっても、端麗な容姿と立派な肩書きを持って『いやん、そんなところが可愛い!』『二面性があった方が素敵なの!』なんて、別の意味で騒がれたりするんじゃないだろうか。

…何かもうどうでも良いけど。

大佐がまた今年、貨物列車何十輌分のあれを貰っても、今年はオレには関係ない!
オレは大事な彼女から貰えるんだから!

義理で貰う何十個、何百個よりも最愛な彼女から貰う1個の重みは遥かに違う。
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