weep away

蒼白い冬の空が
そっと風を運んでいる
辺りに漂う乾いた寒さに
込み上げる切なさを含んで…

堪えようとする程に
感情は滲み溢れて
強がりな貴方は
泣きだしそうな素顔を
そっと隠そうとするけれど
背を向ける度に
震える肩が鮮明になって
窓辺に映る横顔が
蒼く頬を染めて光っている

頼りない僕の両手は
降りしきる雨を遮れなくて
繰り返される慰めも
流れる風に儚く消えていく

必要とする程に
力を失くした言葉の
頼りなさだけが際立って

抱き締めてみても
貴方の傷口を癒せない
痩せた躰の無力さが
惨めなくらい鮮明になる

流れだす涙は
拭う度に溢れて

感情を滲ませる貴方の
ひび割れた心の核心を
癒しきるすべを
僕は知らないけれど

蒼い光の零れる
虚ろな瞳に触れる度に
涙に含まれる輝きが
僕の指先にそっと伝わる

溢れだす涙に
現状を変える力はなくて
降りだした雨が
姿を消すこともないけれど
貴方のその涙は
新たな決意を僕にくれるから

貴方によって生まれ
貴方に向けられた誓いが

より大きな自分を育み
鮮やかな未来へと
貴方を迎え入れるようにと
澄み渡る空に
願いを込めながら
今はまだ無力なその腕で
震える肩を抱き寄せて
貴方に降る悲しみを
共に受けて生きたいと願う

そしていつの日か
悲しみの立ち込める
灰色の日常を染め変えて

鮮やかな晴天の空の下で
穏やかな風に揺れる日々が
貴方を包み込むようにと
僕はそれを信じて
降りやまない雨が
一面に広がる寒空の下を
そっと踏み出して
見えざる明日へと歩きだす

それは愛するゆえに
柔らかな陽射しを浴びて
溶けるような頬笑みに
無邪気な鼻歌を交えて生きる
その貴方を夢に描いて…



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