PLAYBOYS-SECOND
□PLAYBOY-SECOND
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俺は目を開けた。
薬品の匂い。
そう、俺は、、、
いつの間にか事態は急変したのだ。
俺の手を離れて転がり出した。
幾ら追いかけても追いつけやしない。
そう、俺が躊躇し続け、時期を逃し続けたから。
俺は、6人部屋の病室の窓際に、カーテンをひいて押しこまってる。
俺の顔にはベタベタと色んな薬やらガーゼやらが貼り付けられ、俺の腹には包帯がぐるぐる巻きになり、腕もぐるぐる巻きにやられている。
粗末な浴衣みたいなのを着て、俺の腰までは白い無機質な布団がかけられ、俺の上半身はリクライニングにより丁度いい具合に起きてる。
そして、カーテンの薄黄色をじっと見つめているのだ。
そのカーテンには染みがある。
風によって時々ふわりと動く。
俺は、朝食が終わった後の格好のまま何時間もこうやってカーテンを見てる。
子供の声や、隣の病人のボソボソ声が暖かい陽気にのって耳に滑り込む。
布団は依然、俺のためでなく誰のためでなく白い。「誰か」のためなら誰のためでもない。そういった白さなんだ。
俺は、、、布団の白いことやカーテンのことだけで精一杯な状態。
もしそれ以外ならば、今、俺は生きることすらできないだろう。
肺一杯に水が溜まるような思いに、俺は生きる自信が無い。