SEASON.Hver
□2章
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俺は蛭魔のアパートに行った。
文字通り『女の家に転がり込む』みてえで微妙ではあったけど、蛭魔ともっと一緒にいたいのは確かだからそれでいい。
駅から結構歩いて、いや、かなり歩いていくと…………………………………………
億ションすか!!!?
アパートどころの騒ぎじゃねえ、バカデッカくてセキュリティーバリバリのスゲエマンションの前に来た。
蛭魔は頭を掻きながら微妙な表情で俺を見上げた。
「ここの4階。」
俺はまるで上京したてのイナカもんみたいに辺りを見回しながら、蛭魔についていった。
「スゲエなお前!ボンボンだったの?こんなとこに1人暮らし?」
部屋も何部屋もあってスゲエ。
でも、リビング以外の部屋はどれも生活感が全く無く、明らかに使って無い様だ。
「そんなんじゃねえよ。…………適当に座っていーよ。そんなウロウロしてんじゃねーよ。」
取りあえず俺は黒レザーのカバーがかかったソファーに腰を下ろした。いちいち高そうだ。
蛭魔はウィスキーの瓶とグラスを2つ持って現れた。
ゆっくり俺の隣に座る。
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