C.A.F
□僕の君の後ろのジェニファー
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俺は水町と一線を越えてしまった。
あいつがあんなことをするから。前から痛めつけてやりたいという欲求はあった。あの下らない、あいつにしては手の込んだ事件が俺のリミッターを外した。
自分がホモだとかサドだとかは分からない。でも、あいつに対してそういう欲求を持ってしまったことだけは確か。
アメフトに熱中し、アイシールドを倒すために走り続ける。それしか頭に無かった。
水町はそんな中で必要な存在。それでしかなかったはず。
いつからこんな方向に向いてしまったのだろう。
あいつの馬鹿げた悪戯、怒ると愚痴言いながらも従う態度。機嫌を伺うあの顔。許すと急にはしゃぎ出す単純さ。
それが俺を刺激した、でもそれのどこが良いのか分からない。
最悪なことは、あいつが俺の行為を受け入れたこと。
そして、いつもは今まで通りに振る舞い、『その時間』になるとコロッとその顔になること。
あいつがどんな思いで俺を受け入れているのか、全く見当がつかない。
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