小説@
□★夏祭り。
1ページ/19ページ
日も沈み、満天の星が空に輝く夏の夜。
「れぇ〜ん♪」
部屋の扉を勢い良く開けて、いつもの様に蓮に抱き付くホロホロ。
「何だ? 読書中くらい静かに出来んのか?」
ホロホロに構わず、読みかけの本から目を離す事なく問い掛ける。
「今日、お祭りがあるんだけどさ‥これから一緒に行かねぇか?」
ホロホロは、蓮が読んでいる本を取り上げた。
「あっ、オレは‥別に‥//」
蓮の表情を見る限り、嫌ではなさそうだ。
「別に、何だよ‥?」
蓮の口から自分の望む言葉を聞きたくて、話の先を促すホロホロ。
「ぁ‥いや‥その‥」
照れ屋な蓮が、自分の口から本音を語るはずがなかった。