小説@
□★Shift Change。
1ページ/23ページ
11月28日。
ホロホロの誕生日祝いを終えた翌日。
それは、ホロホロの一言から始まった。
「なぁ蓮‥オレ、今日からしばらくバイト夜勤だから、明日から飯の用意とかしなくていいからな‥‥」
ぼんやりとカレンダーを見ながら、ホロホロが呟いた。
ソファーに座り、黙々と本を読んでいた蓮の体がピクリと動く。
「‥‥‥なにか言ったか?」
「って、人の話聞いてねぇのかよ!!」
蓮は読書に意識を集中していた為、ホロホロが何か話し始めたことしか理解していなかった。
ホロホロはツッコミを入れた後、溜め息をついた。
「あのな‥今日からバイト夜勤になるから、しばらく飯とか用意しなくていいからなって話したの」
「朝と昼は食べないのか‥?」
蓮は読みかけの本に栞を挟んだ。
「ん〜‥。多分、爆睡してると思うから‥飯はいいや」
ホロホロは少しの間考え、頬をポリポリと掻いた。
「フン。手間が省けて助かるな」
蓮は分厚い本をパタンと閉じた。
「お前『寂しい』とか『行かないで』とかねぇのかよ!? ほんっとに可愛くねぇな!」
「可愛くなくて結構だ!」
ホロホロは、「ちぇっ」と口を尖らせた。