【オハナシ】

□ミエナイチカラ (Lucky? Unlucky?)
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──他人に見えない事がこんなにムカツクとは、思わなかった。


   *   *

6限目が始まる直前に指令が来て、俺達は学校を抜け出し現場に向かった。

今日の虚はちょっと手強かった。倒すのに少々時間がかかっちまった。


おかげで、体と鞄を取りに学校に戻った時には下校時刻を過ぎていて。

俺達は教員に見つからないよう裏門から敷地に入り、昇降口に急いでいた。


その時だ。声をかけられたのは。


「朽木さん!!」

俺達は立ち止まり、声の聞こえた方を見た。
どこかで見た事のある男子生徒が1人、こっちへ向かって来る。


まだ校内に残っている生徒がいたとはな。
──まあ、俺達も人の事は言えないが。


「会えて良かった。
鞄が残ってたから、まだ帰っていないと思って待ってたんだよ。
でも下校時刻も過ぎちゃったし、今日は諦めて帰る所だったんだ」


──見た事あるはずだ。
こいつ、確か同じクラスにいた……ような、気がする。多分。
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