新旧パプワ夢

□チョウ・下
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「っ…たぁ…。」

かかって来いとは言ったけどさ…乙女相手なんだから、もうちょい優しくしてよ…。
うえっ。口の中海水と砂で…最悪だぁ…!!
しっかぁーし!!この程度でめげる私でないのさ!!
改めて自分の周りを確認。
ふぅむ…南国リゾートな場所だなぁ。海も綺麗。甘く良い香りが漂ってる。
今見る限りでは……生き物の姿はなし、か。
とりあえず散策すべきかな。
でも注意すべきね。
アラシヤマとか…ましてや、マーカーさんに会えちゃったらラッキーだけど…。
話によれば世にも不思議で気持ちの悪い“ナマモノ”とやらがいるらしいじゃない。
皆この島の事になると口数少なくなるから、よく聞き出せなかったからよく分からないけど…。
武器は……銃1丁、ナイフ2本と…ロープも武器になるか?
あとは己の拳さッ!
非常食も持ったし……さぁ、マーカーさん探しの旅へ参ろうぞ!!

「汚物子…?」

……………………………………え…………………………?
聞き覚えのある声に、全身が固まった。
聞き間違え?
また私は幻聴を聞いてる?
だけど今のは、しっかりと…間違えなく耳に届いた。
私を呼ぶ…あの声が。
震える体をゆっくりと声の聞こえた方向へと向ける。
そして、またゆっくりとした動作で、顔を上げた。
涙が溢れ出した。

「マ…。」
「汚物子!なんでお前がここに!?」
「マーカーさんッ!!」
「え…!?」

一番見覚えのある無表情でも、怒り顔でもなく、驚いたような表情で私を見つめる人。
ずっとずっと探していた人。
流れる涙も拭わず、マーカーさんに飛びついた。
大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大(エンドレス)好きなマーカーさんに。

「汚物子!?」
「なんで急にいなくなっちゃったんですか!なんで…私に何にも言わずに…。」
「いや…あれはしかたなく…。」
「私がッ…どれだけ探したか…寂しかったか分かってるんですか!?ずっと…ずっと、マーカーさんの事考えて…探して…。」

だんだん泣いてるせいで声が出しずらくなってきた。
マーカーさんがいなくなってからずっと泣けずにいた分、今大声で泣いた。
懐かしいこの、温もりの中で…。

「汚物子…お前…。」
「パプワくん、見て!!家政夫が家政夫の分際で女の人を襲って泣かせてるよ!!」
「最低だな!リキッド!!」
「わう!!」
「うわっ!?い、いきなり変な事言うなちみっこ共!!奴がいたらどーする気だ!?」

…む?
な、何事…!?
パプワくん?家政夫?リキッド?ちみっこ?
疑問符が大量発生して、マーカーさんから顔を離して見てみると…。

「…キャ〜〜〜!!!ちみっこいマーカーさんが二人もいる〜〜〜〜〜〜!!!!!しかも一人は腰ミノして、マーカーさんが四つん這いマーカーさんに乗ってる〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?!?!??!?!?」
「え!?こいつ、もう末期!?」
「ふぅ。やっぱりこの島の人っておかしな人達ばっかりだね。」
「はっはっはっ。なかなか元気で愉快な奴だな。」

うわうわうわうわぁっ!!!!
マーカーさんが4人もいるよぉ!!
腰ミノつけてるよぉ!!
日の丸センス持ってるよぉ!!
もう、どこにどう何を言っていいのですか!?
あぁ…なんかもう、頭がボーっとして思考能力低下低下。

「僕の胞子のおかげで、すっかり素敵にトリップしてくれてるみたいだにゃ〜。」
「出たな毒キノコ!!」
「やっぱりお前の仕業かよ…。」
「あぁ〜〜〜〜〜!!!!!!!マーカーさんが…マーカーさんがッ…!!語尾に『にゃ〜』って…!!猫ですか!?猫なのですか!?黒いお耳と尻尾付けてください〜〜〜!!!!!黒猫でお願いします〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
「汚物子…4年前と全っ然変わってねーみたいだな。」
「パプワくん。この人ちょっとヤバくない?」
「う〜ん…。ちょっと頚動脈止めてみるか!」
「待ちなさい二人とも!」

どうしよぅ…。
実は私は死んでて、天国に来ちゃったのかしら?
だってこんなマーカーさん天国が現実にある訳が無いもの!
…でも…ビバッ☆天国ッ☆

「…おい汚物子。いい加減目ぇ覚ませよ!」
「うふふ〜v天国って本当に天国ですね、マーカーさんvv」
「何意味わかんねー事口走ってんだよ!?…しゃーねぇ…パプワ。頚動脈止めてやってくれ。」
「意見変えるの早かったね、家政夫。」
「よし。チャッピー行くぞ。」
「わう!」

あらvマーカーさんが二人近づいてくる!?
…………って。
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