新旧パプワ夢

□ナミダ
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「うっっっっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!」

朝のガンマ団の食堂。
さわやかな朝食中に、悲痛な叫び声がこだました。
勿論皆の視線は一点集中。
声の発信源近くいた人々は、あまりの声量に耳、更には頭を殺られたようだ。

「嘘…うそうそ、嘘でしょ!?てか、嘘だろ!?」
「ほ、本と…。」
「う・そ・よ・ねッ!?」
「ぐ…ぐ、あ…。」
「朝から元気だっちゃね〜。」
「う〜…オラ、まだ耳が痛いべ…。」
「おい汚物子、味噌汁こぼれてっぞ。」

トットリ、ミヤギ、シンタローが何か言ってるけど、そんなの超シカト!!
私に肩を激しく揺らされて、青くなってるアラシヤマすらスーパーシカト!!
更にはまわりからの視線なんてのも、ハイパーシカト!!

「汚物子は…ん…。」
「お願いだから嘘って言ってぇ〜ッ!!」
「…汚物子。現実を受け止めろよ。」
「だっちゃ。汚物子がどんなに叫んでも、アラシヤマが死んでも、変わらない事実だっちゃよ。」
「んだ。アラシヤマが言ってんだがら、間違いねーべ。」
「だって、そんなぁっ!今日が…マーカーさんのお誕生日なんてぇッ!!」

アラシヤマを投げ捨てて、思わず座り込む。
…そう。本日1月21日は、アラシヤマいわく、私の愛しい恋人である特選部隊の炎のチャイニーズ、マーカーさんのお誕生日なのだ。
だけど私はその事実をたった今、ここで、初めて聞いた。
そして…あまりの衝撃にさっきの状態。
だって、今までマーカーさんはそんな事一言も言ってないし(まぁ、自分の誕生日を言いふらすような人ではないけど)、何より…今日、だと言う。
当然ながらプレゼントも何も用意していない。
私の誕生日には遠征中で会えなかったけど、プレゼントは贈ってくれたのに…。

「どぉ〜しよぉ〜!?」
「諦めるべ。」
「だっちゃな。」
「そういう運命なんだよ。」
「不吉な事言うなぁっ!!…アラシヤマッ!!」
「な、なんどす…え…?」

いい感じに体温を感じさせない青い皮膚の色になったアラシヤマが、ずるぅりと言う効果音がつきそうな感じに起きあがった。
いつもは少しは心配をしてあげるが、今はそんな余裕なし!!
フラフラと立ちあがったのを確認すると、容赦無く再び詰め寄る。

「マーカーさんの欲しがりそうな物を五秒以内で答えよ!!」
「え!?なんどすか、いきなり!?」
「一度聞いて理解してよ!マーカーさんが欲しがる物!今急いで抜け出して買いに行けば昼過ぎぐらいには帰ってこれる!」
「いや、昼過ぎは厳しいだろ。」
「恋する乙女をなめんなぁっ!!」

我ながらだんだん壊れてきたかな…。
シンタロー達が3m離れて行ったよ。勿論、アラシヤマは首根っこつかんで逃がさなかったけどね。

「アラシヤマ!今頼りになるのはアンタだけなのよぉ!!」
「じ、自分で考えたらええやあらしまへんか…。」
「…だって…マーカーさんって、あんまり欲しい物とか言わないし。部屋の中もシンプルでヒントになるものないし…。いっくらなんでも誕生日に、針とか青龍刀とかは…ねぇ?だから、アラシヤマの方がマーカーさんと一緒にいる時間が長いんだから、わかるでしょ?」
「そないなこと言われはっても…。」
「お願い!私達…親友でしょ!?」
「え、し…親友!?あぁ…そうどすな!わてらは親友どす〜vv」
「ケッケッケ…。ちょろいちょろい♪」
「…オラ、初めてすこぉしだけアラシヤマを哀れに思ったべ。」
「僕もほんのちょっとだけ…。」
「オレは汚物子が恐い…。」

3人が何やらかたまって震えているのが視界の端に見えて、なんとなくムカついたから、ニラんでやった。
アラシヤマは相変らず自分の世界から戻ってこない。
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