新旧パプワ夢

□チョコ
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今日は日本中の恋する乙女の日、聖バレンタインデ―v
料理下手な私だけど、完成したチョコはなかなか上手くできた。
あとは…愛しい愛しのあの人にこのチョコを渡して…小指と小指をつないでラ〜ヴラヴvなバレンタインをするのさぁ♪
そして…ついにあの人の部屋の扉。
一度目を閉じて、大きく深呼吸をして…私は扉をノックした。

「…………マーカーさん?」

いつもならすぐに返事があるのに、全く反応がない。
もう…10回は声かけてるのに…。
遠征じゃない事は確かだし、寝てるような時間でもない。
あ〜、こうしている時間ももったいないわ!!
私のバレンタインデーの計画がぁ〜〜〜!!!!!
ちらりと時計を見れば、自室を出てから30分はたってるし!
私はポケットからケータイを出して、“マーカーさんv”と表示された所でボタンを押す。

トゥルルルル………

「出ないしっ!!」

思わず誰もいない自分の右隣にツッコミをいれていた…。
我ながら虚しい…そう思いながら、ケータイを切る。
マジでどーいたしましょーかー。
マーカーさんが約束すっぽかす訳ないし…。でも、ここにいないし…。
…たしか、隣はGさんの部屋だったっけ?ちょいと聞いてみようかな。
そう思ってすぐ、どこからか笑い声が聞こえた気がした。
なんか異様に明るくて、陽気で、馬鹿っぽい笑い声…しかも一つじゃない。
声のする方へ歩いてみると、今度は笑い声に混じって泣き声まで。
なんだ…なんだなんだ!?ガンマ団に七不思議なんてあったっけ!?
少しビビリつつ少し歩いてたどり着いたのは…一番奥の部屋、獅子舞の部屋だ。
私の中でものすっごい嫌な予感が渦巻いてるけど、それをなんとか閉じ込めて、こっそりと扉を開けると…。

「う…オレ、もぅーダメッス…。」
「なんでだぁ〜!!もっと頑張るんだぁ〜、リキッド〜〜〜!!!!」
「おらG!泣いてねーで、リッちゃんをお馬さんに乗せるの手伝えや!」
「ギャハハハ。隊長〜、縄忘れてますよぉ。」

………扉を開けたその先は………………全てを滅したくなるような世界でした。
むわっと立ちこめる酒臭さと親父臭。
そして目に飛び込んできたのは、べロンべロンに酔って倒れるリキッド。
それに向かって泣きながら声をかけるGさん。
更に“お馬さん”を持ってきて楽しそうに笑ってる獅子舞。
あと、無意味に笑ってるロッド。
…そして…。

「ロッド!お前はこっちで私と酒を飲め!!」

この中で唯一酔った様子が全くなく、ロッドを無理矢理座らせたのは…さっきから探していた人、マーカーさん。

「ギャハハ。そー怒んなよ。てか、もうリキッド坊やとG潰してんだろ〜?そろそろヤバイんじゃねぇ?」
「黙ってさっさと飲め!」
「へーへー。ま、オレはそー簡単には負けねーぜ?」

隣で乗馬させられてるリキッドを気にも留めず、2人してお酒を飲み出しやがった。
…なに?飲み比べでもしてるわけ!?
てゆーか、なんでこいつら真昼間から宴会おっぱじめてんだよ、おい!!
乙女の日をなんだと思ってる!!
ブチギレ寸前の私をよそに、まるで水でも飲むかのようにお酒を体内に収めるマーカーさん。
あぁ〜…!そんなにいっぱい飲んで!さっきの会話だと、もうすでにずいぶん飲んでるみたいだし…。体壊したらどーするんですかぁ!!
………怒っててもそんな事を心配してしまう自分が、健気だけど首しめたい。
心なしか頭痛がしてきたぁ…。
こめかみを押さえて小さくため息をついて、また2人に目を向ける。
その時、ある物が目に入った。
それは壁に貼ってあった大きな紙。…そして、そこに殴り書きで書かれた文字は…“ハーレム隊長 誕生日会”。
あぁ…本気で頭痛い。
すっかり忘れてた。シンタローが数日前からサービス様の誕生日がどーのこーの騒いでたんだから、気付くべきだった。
シンタローの美貌の叔父様、サービス様と獅子舞は(信じられないが)双子の兄弟で、その誕生日は………2月14日。
サービス様は妙に納得できるし、私に害がないからいいけど!!
獅子舞は1月1日にでも生まれて、その日だけ山から下りてくればいいんだぁ!
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