その他あーみん夢

□Silent night†Holy night
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「さぁ〜ああいれんと〜なあ〜ぁいと〜ぉ♪ほぉ〜」
「“きよしこのよる”を拳をきかせて…しかも、それを英語で歌わないで下さい。」
「何言ってるの、デッド!賛美歌と演歌の見事なこらぼれーしょんを!」
「無理に横文字使わなくていいですから…。」


Silent night†Holy night


ハァ。
そう溜息をついちゃったデッド。
…うーん。やっぱここ、ナイナイだって言うのに騒ぎすぎちゃったかなぁ…。

「…ごめん、デッド。クリスマスだーって思うと、ついテンション上がっちゃって…。」
「何故謝るんですか…?」
「え?だってナイナイは煩いの嫌う所だし…。なんか、デッドのツッコミもいつもより1割り増しでキツかった気がして…。」

もう一度ごめんと言って、手を合わせる。
するとデッドはなんだか微妙な表情になる。
…なんだろう?怒って…は、いないみたいだけど…。

「すみません…怒っているように見えたなら、謝ります。」
「いや、別にいいんだけど…。どしたの?」
「ただ…………………何故あなたが此処にいるんですか。」
「そりゃあデッドに会う以外ないでしょーよ。」
「さっきまで会っていたじゃないですか。」

ふむ。確かにその通り。
今日の昼間はずっとライブ…つまり、昼間のデッドとロックで一緒にいたのだ。
それで二人で遊んで騒いで、楽しい時間を過ごして私はセーブンに帰った。
…と、見せかけてロックにまだいた。
そして日没を迎えて自動的にナイナイに到着し、今こうしてデッド…つまり夜のライブと話している。
…説明がややっこしい…。

「デッドは私が会いに来ちゃ嫌なの〜?」
「そうは言ってません…。」
「なら…。」
「今日は…折角のクリスマスでしょう…。」
「へ?うん、そうだね?」
「どこも綺麗なイルミネーションで飾られ、賑わいでいます。…此処、ナイナイ以外は。楽しいクリスマスに此処にいては勿体無いですよ。」

風の音すらしない、絶対の静寂。
月の光りだけが私たちを照らす。
青白いデッドの表情が凄く切ない。

「さぁ〜ああいれんと〜なあ〜ぁいと〜ぉ♪ほぉ〜おおりい〜ぃな〜ぁいと〜♪…あ。この続きわかんないや。」
「な…なんですか、突然。」

一気にデッドは肩の力が抜けたように情けない声で聞いてきた。
ちょっとそれが面白い。

「さっきデッドが弾いてた曲。クリスマスの定番、『きよしこのよる』。」
「それは分かります。だから何故急に歌いだすんですか。しかも、またそんな演歌風に。」
「セーブンの住人はほとんど演歌が好きなの!しょうがないの!私以外の家族は今日、氷○きよしのクリスマスディナーショー『きよしこの夜』に行っちゃうぐらいね!」
「は…?」
「私は断然サブちゃん派の人間だから、あんな若造には興味ないけど。」

デッド、私の言ってる事が全く理解不能状態みたい。
まぁ…確かにライブの音楽ともデッドの音楽とも、ジャンル違うしねぇ。
あーぁ。一度でいいから演歌歌わせてやりたい。
できればライブにはコンサートで歌って欲しい。
むしろ演歌でCD出してくれないかなぁ…。
っと、かなり一人で考え込んじゃった。
デッドがあんなにクエスチョンマーク満載にこっちを見てるって言うのに。

「ああ、ごめんね。氷川き○しとサブちゃんとか、演歌は気にしないで。」
「は…はぁ。」
「で。さっきの英語の歌詞を直訳するとさ、『静かな夜、聖なる夜』でしょ。」
「…よく分かりましたね。」
「何さり気に失礼な事言ってんのよ。ちゃんと調べてきたんだから、分かるに決まってるでしょ!」
「調べたんですか。」

なんか…また溜息つかれたんだけど。
だって、調べなきゃ分かるわけないじゃない。こんな難しい英語。
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