その他夢

□4分の愛の確率
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「ア〜ズ〜さ〜まv」
「なんですうぐっ!?」
「はい、アーンv」

少女はニッコリと悪魔の微笑をたたえ、ブルーコスモス盟主であるアズラエルの口に小さなハートを放りこんだ。
それはまるで澄み渡る海のような綺麗な青色だった。



4分の愛の確率



「チッ。失敗したか…。」

先ほどの笑顔と可愛いらしい笑顔がウソのように、ドスのきいた声で少女は言った。
その彼女が見下す先には、とても綺麗な青の…肌の色になったムルタ・アズラエル。
見事に血の気を感じさせないその色は、妙にその素晴らしい趣味のスーツとマッチしていたような。

「あ〜ぁ。あと三つ…か。」

アズラエルから目を離して、目を手に持った箱に向けた。
そこには19個、4色のハート型の小さなチョコレートが五個づつ規則正しく色別に並べてあった。
それは赤、緑、黄色…そして、さっき他よりも一つ少なくなり4つになった青。

「さ〜って。次は誰で試すかなぁ♪」

さっきまで残念そうにチョコを見つめていたくせに、少女は速くも楽しそうにそうつぶやいた。
この少女は整備士の一人である汚物子。
外見の通りまだ10代の少女だが、整備士としての才能が認められて、ドミニオンに乗艦しているのだ。
そんな優秀な汚物子の欠点と言えば、アスラエルを実験台にしたうえ足蹴にして歩いて行ってしまった、その神経というか性格だろう。
彼女のせいでアスラエルは登場1,3秒で出番が終わってしまった。

「げっ!汚物子!?」
「あ〜らvクロトじゃないのv」

次の被害者は意外にも速く見つかった。
今後ろに死神か何かが舞い降りたであろう人物は、レイダーガンダムのパイロットのクロト・ブエル。

「…で。クロト?出会い頭に“げっ!”ってなに?」
「だって、汚物子と一緒にいるとろくな事がな」
「はい?そんな天邪鬼な事言ってると、レイダー手抜き修理しちゃうぞv」
「やめろよっ!僕は命かかってんだからな!」
「うんvちゃ〜んとわかってるvその上で言ってるから安心してv」
「安心できるか〜っ!!」

またもや可愛らしい笑顔と顔で言う汚物子。
一瞬それに顔を赤くしてしまったクロトだが、すぐに声を荒げる。
…当然だ。ただでさえ、ジャスティスとフリーダムに負け続けているのに、これで更に手抜きなんかされたら……。
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