その他夢

□愛の特攻隊長
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「ヅラリンコ!悪いけど今日限り、攘夷とかそーゆーの止めさせてもらうわ。」
「ヅラリンコじゃない。桂だ!ただのヅラから更にグレードアップさせるな。それに何をいきなり言い出す。つい昨日まで『天人も幕府も私の邪魔する奴は血祭りじゃー!』と夕陽に向かって叫んでいただろ。」
「過去を振り返るな。上を向いて歩け。そして前方不注意で沼にでもはまれ。更にズラを落とせ!ここを離れてもその瞬間だけは絶対に見逃さないから安心して。」
「なんの安心だ!?」
「とにかく私のダイアモンドよりも美しく固い決心は変わんないので、サイナラ。」
「…俺としても、無理にお前をここに留める気はない。お前が俺と違う道を行くなら好きにするがいい。」
「そんな事言っちゃって、本当は寂しいくせに☆」
「しかし、お前の攘夷への思いは並大抵ではなかったはずだ。それがなぜそう容易くも変わった?一応、友人として聞いておきたい。」
「ハシャイだ時程無視されると辛いのよ。しかも一応って強調したわね、畜生。…まぁでも、私にとってヅラは立派な、ヅラだから言っておくわ。」
「ヅラじゃない。桂だ!」
「…愛が故、よ。」




愛の特攻隊長




「…ってな訳で、こう見えてもちゃんとそれなりに鍛えられてますv女だからって甘く見てると、なんかもう凄い事起こしちゃう自信ありますから。あ。あと、私梅干嫌いなんですよねぇ。アレ目の前で食べられたり、ましてや食べろなんて言われた日には…もんの凄い事を起こす自信ありますから。」
「んな自信鼻から出してティッシュに丸めて捨てろや!!」
「なっ!私の自信がティッシュ如きで捨てられると思って!?ナメんな、オラ。」
「そうですぜぇ、土方さん。今の聞いた限りじゃ、せめて水洗便所で流すぐらいしないといけねぇ自信だと思いやすぜ。」
「なに?…ちょっと沖田さんだっけ!?わかってんじゃないのさ!」
「いいのかよ便所で!お前のもんの凄い自信ってのは水洗便所程度か!?」

ここは特別警察真選組屯所。
元攘夷志士の私汚物子は、只今こちらで副長と隊長の二人相手に就職の面接をしています。

「水洗便所程度って…土方副長さんよぉ。今までどれだけ水洗便所に世話になったか分かってんですか。それともアンタはまだボットン派ですか?そんな水洗便所馬鹿にしたような事言うんでしたら、一生使わないで下さいよ。水洗便所に失礼ですから。」
「確かにその通りでさァ、汚物子さん!すぐに土方さん専用のボットン便所作らないとですぜ。」
「お前ら…。総梧も話に乗ってんじゃねー!」

人の健康も省みず、タバコふかしまくってる人相の悪い土方副長がいきなりキレた。
あーこいつ私嫌いだー。第一印象から偉そうでムカついたし。
それに比べて、沖田さんの方は妙に波長が合う。
うん。この人とは上手くやっていけそうだ。

「お前…汚物子って言ったか?自分の立場分かってんのか。」
「……………………………部屋に男二人と女一人………貞操の危機!?」
「ちげーーーっっっつーの!!!!!!!!!!」
「大丈夫ですぜぇ。汚物子さんとは仲良くやってけそうですが、全然タイプじゃないんでさァ。」
「あ。やっぱ沖田さんとは気が合うみたい。私も絶対沖田さんみたいな人とは恋人になりたくないもん。」
「…あのなぁ。お前は元攘夷派の人間だって言ったな。」
「はい。」
「しかも、あの桂小太郎んとこの。」
「はい。」
「更に“特攻隊長”って呼ばれるぐれぇ、今までテロ活動をやってきた訳だな?」
「はい。先月あったお偉いさんな天人の家での爆破、アレ、私の活躍ですよー。」
「ああ、あの…。もう見事に家が大破したやつ。」
「そうです、ソレソレ!私は標的は何が何でも完全完璧木っ端微塵にする主義ですから!」

自分の活躍を語るのはやっぱり気持ちがいいわぁ。
これで面接もやったね!バッチリ好印象☆間違い無しね。

「逮捕。」
「えぇ!?なんでそうなるの!?なんですか、何が悪いんですか?…あ。あれですか!ちょっと可愛い子ぶって、履歴書全部ピンクのペンで書いたのがそんなに駄目でしたか?でもそのぐらいのお茶目ぐらい見逃してくださいよー。…ったく、これだから幕府の人間は嫌なのよねぇ。」
「斬る。」
「うわ、何この人。一瞬で逮捕から死刑判決に変えやがって。こんなんが警察なんて絶対間違ってるから!」
「そうそう。土方さん、ここ辞めたらどうですかィ?土方さんの後釜は俺がキッチリやりまさァ!」
「だからなんでお前はこいつの味方しやがる!?」
「何言ってまさァ!俺はただ土方さんを陥れたいだけですぜ!」
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