その他夢

□4分の愛の確率
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「…ん?汚物子。それ…なに?」

しばし怒鳴っていたクロトだが、ふと、汚物子が何か手に持っているのに気付いて…しまった。
箱に目が行ってしまっていたクロトは見ていなかった。汚物子がニヤリと笑みを浮かべたのを…。

「これね。クロトへのバレンタインチョコv」
「え、チョコ!?」
「うん。クロト、甘い物とか好きだよね?」
「うんうん!……わぁ…カラフルでうまそーじゃん!これ、汚物子が作ったの?」
「そうだよ。結構上手く出来てるでしょ。」

箱の中に入ったチョコを見て、嬉しそうにはしゃぐクロト。
その姿は無邪気で可愛らしくも可哀想でならない。

「んじゃ〜…クロトは赤食べて。」
「へ?全部食べちゃダメなの?」
「そーじゃなくて、とりあえずって事で。ほらぁ〜、クロトには戦隊物のリーダーの色、赤が似合うからv」
「え、本当!?なぁんだ、汚物子もそう思う?てゆーか、ゴ○ンジャーカッコいいよなぁ!」

それで丸め込まれていいのか、クロト!?
それで喜んでしまっていいのか、クロト!?
やっぱり戦隊物見てたのか、クロト!?
古過ぎじゃないのか、ゴ○ンジャー!?

「それじゃ、いっただっきまーす!!」

箱から一つ、赤いチョコをつまんでひょいっと口に運んだ。
果たしてクロトの命は!?

「……んっ…………………………!」
「どしたの、クロト?」
「んまい!!激旨!これ!」
「本当ッ!?良かったぁv」

まだ口の中でチョコを転がしながら、嬉しそうにクロトは言った。
それと一緒に、汚物子も素直な笑顔になる。
どうやら正解を当てたらしい-。

「(青は×で赤は○…っと。)じゃあ、今度は黄色食べてみて。」
「うん!食べる食べる!」

汚物子の思惑など知るはずも無く、再びチョコに手を伸ばしたクロトだが…寸前で手を止めた。

「(チッ…速く食えよ。)クロト?どーしたの?」
「なんか…鼻がムズムズする…。」
「鼻?なんで鼻が…………って、クロト!鼻血出てる!きったな〜!!」
「げっ、うわ、カッコ悪!汚物子〜、ティッシュ!」
「はいはい。ほら、速く拭いてよ。(そしてさっさとあと2種類も食べろ!)」

腹の中では酷い事を考えているが、それは微塵も表に出さずにポケットクロトにティッシュを差し出した。
それで鼻を押さえるクロトだったが…。

「ごめ、汚物子…。もっとくれない?」
「そんな出てるの?はい。」
「……………うわっ、まだ出る!」

この調子で汚物子のポケットティッシュはなくなったのだが…クロトの鼻血は止まらなかった。

「汚物子〜!ティッシュ、ティッシュ!!」
「もうないよぉ!」
「えぇ〜!?じゃあ、どーすんだよ!!」

その時、汚物子の頭をある思いが横切った。

(もしかして……赤いチョコ=赤=血=鼻血!?)

哀れクロトは鼻を押さえて泣きそうになりながら、汚物子を見つめている。

「…うぅ……汚物子〜、なんか…クラクラしてきた…。」
「う〜ん。いっつ・貧血?」
「も…ダメ…。」

その瞬間、クロトはバタリとその場に倒れてしまった。
勿論汚物子はそれを助ける事などせず、さっと避けた。
そしてクロトは……今だ鼻血を出しながらそのまま気を失ってしまったようだ。

「う〜ん…。これもダメ、か。残るは緑と黄色の2種類…。」

やはりクロトの心配は全くせず、またもや新たな実験台を探すため歩き始めた。
そして…次に彼女が向かったのは…。
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