小説

□ある二人の一日〜節分編〜
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今日は節分。
あちこちで豆を投げる音が聞こえる。

「鬼はー外ー♪」
「…福は内」

…ぽりぽり。

万里子と里美は、里美の部屋で豆まきをしていた。

「福はー内ー♪福よ来ーい♪」
「…鬼は外…っ!」

…ぴしぴしっ!

「…あのさぁ、里美さん」
「鬼は外…っ!」

…ぴしぴしっ!

「…痛いっつーの!」
「福は内…」

…ぽりぽり。

「…里美の中ではアタシが鬼で豆が福なの?」
「…ええ」

里美は、福は内、と言いながらまた豆を食べ始めた。


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