小説

□月と地球のワルツ
1ページ/4ページ

愛してる、の言葉を幾度となくつぶやいた。
その度に彼女は僕のおでこを指ではじく。
ぴんって。

「先輩、痛いですよー。もう少し手加減して下さい」
「だったら軽々しく愛の言葉をつぶやかないの」
「それは無理ですよ」

だって。
愛おしいんです。
いつも僕のおでこをはじくその指も、
僕の愛の言葉を否定するその口も、
とにかく全てが、
愛おしいんです。

「…先輩、ファミレス寄って帰りません?」
「君の奢りなら」
「もちろんです」

それくらい、軽いものです。
僕はアナタの為なら、命だって投げ出せる。
…まぁ、それはさすがに大袈裟ですけどね。





.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ