銀魂

□冬のせいにして
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お前の指先がちょん、と微かに触れる。それからそっと絡んでくるのを、俺は振り払わなかった。










知ってるよ。最近上手くいってねぇんだよな。お前すぐ顔に出るからね。うん、知ってる。それでもお前はアイツが好きで、きっとすぐまた仲直りして嬉しそうに笑ってくれるんだろうね。
繋いだ指先が冷たい。俺の熱全部注いでも、やっぱこの指先は暖まんねぇんかな。暖まんねぇんだろうな。取り留めも無くぼんやりと思う。
大丈夫。別にそれでもいい。お前と時々こうして触れ合えれば。弱った時に頼ってくりゃいい。安心しろよ、奪っちまおうなんて銀さんちょっとしか思ってないから。
代わりでもいいんだよ。

「ねぇ、寒いね」

お前が言った。
そうだな、今夜は雪が降るんだって。今朝、結野アナが言ってた。吐く息も白い。
こんな日は暖め合わなきゃ凍えちまうもんな。
大丈夫。この繋いだ指はたいしたことじゃねぇから。ほら、ただちょっと寒いからだから。









冬のせいにして










(大丈夫。だからもうちょい、このままで)


2009/01/21


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