銀魂

□失わないモノ
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冷たい空気が肌を刺す



白く上がった息が
少し目障りだ、と思った



夜は、空気が澄み切っているし
空も輝き過ぎている

過ごしにくいながらに
幻想的なこの季節


人気も無く街灯が少しだけ
気を紛らわせた


昼間を思い出す

街を軽く歩き
食材をスーパーで買って
アイツの家で昼飯食って
何もせず、のんびりして
夜には夕食も作って

それで終わり


俺のせいで日中に堂々と
動き回れ無いが
それでも、いつも嬉しそうにしているアイツが
俺の居場所だ―

ついさっきまで顔見てたのに
何してるんだろうか、とか
アイツの事ばかり考える


世間に出られないような
俺でも人並みな感情があって良かったと思う

まだまだガキみてェだな

青臭い感情と
昼間の逢瀬に
少しだけ、きっと
暖かい気持ちがわいた


肺に空気を送り込み
吐き出す


この白く上がった息と
一緒にアイツに
この俺の気持ちが伝われば良いのに―


青臭い感情はまだ、
捨てられそうに無い










End
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