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□残骸(銀土)
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生は、突然に押し付けられるものだ
未来は容赦なく襲いかかってくる
生まれたいと願った訳ではなく、生きたいと望んだ訳でなく
ただ押し流されるように生きて、今ここにいる。
雨音が響く────
屯所は静かだった。
何時もなら聞こえてくる誰かしらの話声も雨音にかき消されてかしない。
「────っ!」
「ああ、ワリい…」
対して興味も無さそうに男は一応の形式的な詫びを言う。
俺はというと、男のその指に粘膜を犯されながらただ声を殺し、痛みと、あがらいきれない快楽とにひたすら耐えていた。
「───っ…てめぇ…!まじ、殺す…っ」
「…なんだ、まだ余裕みたいだな…元気有り余ってんじゃん?」
そういうと俺のそれに手を伸ばして、先走りを潤滑液にし、奴の指はなめらかに滑った。
「…っやめ…、んぁ」
「…まあそりゃあそうか、まだイカしてやってねぇもんな?」
「───っ!」
「…イキてェだろ?ほら…もうこんなだし?」
男──銀時の指は、俺のそれの根元…そこに食い込む程にきつく戒める…リングをなぞった。
「─これ、外して欲しいでしょ…?」
それをなぞりながら、より刺激を与えてくる銀時を睨みつけてやったが、身体をはいまわるような快楽と…そして吐き出すことの許されない欲望とに蝕まれて、その眼は大分弱々しいものだっただろう。
それの証拠か、銀時に怯んだ様子は全く無かった。
むしろその加虐心を煽ったようで、銀時は手酷く俺を突き上げた。
「うあっ…ッ…っやめ……んぐ…っッ」
「なぁんつーかさぁ…多串くんって生意気だよなぁ…」
「んはっ…うん…っ」
「逃げらんないの…わかるよね?
助け呼べないだろ…?こんな格好見られたかねぇもんなぁ?
かまわねぇか?、なんなら俺が呼んでやんよ?」
「呼んで、やろうか?」
奴は俺の耳元でわざとらしくゆっくりと、一音ずつ発音した。
その間も奴の指先は、戒められ絶頂を許されない俺をもて遊び、下の入口は奴の猛るそれが浅くゆるゆると出入りを繰り返して────、
限界にまで突きつけられる快楽は時として苦痛だ。
「お返事がないみたいだなぁ──」
そこまで言って奴は大きく空気を吸い込んだ。
───意図ははっきりしれた。
「───っッ止めろ!」
乱れる呼吸のなかでやっとそれだけ発音出来た。
銀時の責めが一呼吸あいた
「誰も─、誰も呼ぶな…っ」
やっとの想いで言葉を吐き出す。
「…口のききかたがなってねぇ」
俺の顎先を掴んで無理やり視線を合わされた
奴の唇が、俺の口腔を犯す。
深く口付け、舌を吸い上げる