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□煙草(銀時編)
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「最近大串くんさ〜」
パフェをつつきながら白髪頭の男はそう切り出した。
いつもは死んだ魚の様な目に赤く熟れた苺と生クリームを映してキラキラと目を輝かせつつ…だ。
つまりはこちらに何らかの話題を振ろうというのに、見つめているのはパフェなどという女子供の食いモンだけで、こちらに話題を振ったのはもののついで、ということである。
ジロリと睨みつけたところで見てもいない…
「…あんだよ…。」
大串じゃねぇつー突っ込みも…もう面倒くせぇから最近は三回に一回くらいしか訂正しない。
「最近煙草減ったよねー」
「………なんで解んだよ…?」
正直、驚いた…
「あー?そりゃあ解るさ、俺大串くんのこといつも見てるし〜?」
「いや、パフェしか見てねえよお前…………」
きっちりとパフェを映し出した瞳で銀時はあっさりそうぬかした。
「大串くん、俺の愛に触れて、今顔…赤くね?」
「…むしろ貴様に監視されてるのかという不安感で青いんじゃないだろうか…」
ああ、多分丸尾くん(Cちびまる○ちゃん)よろしく縦線が入っているに違いない。
そう半眼でつぶやいた。
「監視とか言われたよ、見つめてるだけなのに」
「…うざ…」
「今うざいっていった!?大串くん〜!!!」
「大串じゃねぇっつーてんだろうがっ!てーかクリームつけんなコラァ!!」
ポツリと漏れた本音を耳ざとく聞きつけて、俺の胸ぐらを掴み、つっかかってくる。
「俺はただ大串くんが煙草吸わなくなれば健康にもいいし、…チューするとき苦くなくていいなぁって…」
「またそれかっ!!ったく!どいつもコイツもよぉ!!」
「土方…」
「あん?」
急に静かになった銀時を見れば、さっきまで苺パフェを映していた瞳には俺が映っていて…
「また…って何?…………」
………………っ!!!
「今またって言ったろ…」
「あー…ι」
まずった…
「どいつもコイツもってどこの誰…?」
無理に作った笑顔をひきつらせて、目が笑っていない…
「………あーあれだ、大昔の話だよ、」
「…う、そ。だね、つい最近っぽい言い方だった…」
くそぅ…普段は話なんか聞いてねぇくせに、妙なとこで耳ざとくて、無駄なとこでカンがいい…
ちらりと見やれば、にらんでる…ものすごく…
「お前に関係ないだろ…」
「…そういうこと言うんなら作ろうか…?『関係』今すぐ此処で。」
「スンマセンデシタ…やめて…ι」