□3.14惨劇
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なにやら…
違和感ある感じだ…

そう…なんつーかコレ…
はぶられてねぇか…?


三月も半ばに入って、だいぶ暖かくなった。

こんな日の見回りは不謹慎ながら散歩気分にもなる。

基本的に警邏は二人一組が普通だ。
土方は自分の後方より歩いてくる男へと声をかける。

「オイ…すげぇ平和だなぁ…ハゲ。」
「そっすねー」

なにやら、ものすごいまったり感に襲われつつ、ぽてぽてと歩いているその姿は連れがいつもよりいかついのにも関わらずなにやらほのんとしている。

「しっかし近藤さんも、総悟も、山崎も非番ってなぁなんだよなぁ…俺、今日すげぇ忙しいんだけど…」
「仕事集まっちまいますもんねぇ…」

なにやら先程から気のない返事しかしてこないのに土方が立ち止まる

「しかも近藤さんがあからさまに避けやがる…」
「……へぇ…」
「……てめぇ…なんか知ってるだろ…?」

じわりと迫力を滲ませればちろっと一瞬視線をそらした。
「さ…さぁ…」

明らかに怪しい…

「たこ刺しにされたくなきゃ言え、このたこ!」
「副長、さっきからたこだのハゲだの…」
ひでぇなぁとそのスキンヘッドの後頭部をかりこりとかく男に土方が痺れをきらした。

「もういいっ!帰るぞ!」
「えぇっ?!まだ見回り終わってねぇよ副長っ!!」
「いいだろが、別に帰るぞ。」

やたら慌てるのを不審に思いつつ、ふいっときびすをかえした土方になおもしつこく食い下がってくる。

「駄目だって!!」

明らかに…おかしいだろう

「屯所に…なんかあんだな…?」
「…!!」


「あっ…!ちょっとっ!副長待って!!」

だっっと土方がダッシュをかければ、追いつくはずもない……


「まじかよ…ぜってぇ文句言われるよコレよぉ……」

みるみるうちに遠くなる土方の背を見つめボヤく。

とくに可愛い顔して黒い総悟アンド退ペアにくそみそに言われることは想像に難くない。

「時間潰してから戻るか…」
ふうとため息をついてまたそのスキンヘッドの後頭部をカリカリとかいた。

一方、屯所に着いた土方は屯所に漂うまがまがしい匂いに眉をひそめた。
慣れた匂い…血の…匂いだった

鼻と口を手で覆い、慎重に足を進める…

一室から気配がした…
そして…なんとも言えない…さっきのとはまた異なる匂い…


「くぉらぁっ!!てめぇらぁ!何してやが……っ?!」

「あ…見つかった」

いや…
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