□あん○んまんとばい○んまんなの?
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暗雲立ち込める空の下にそのお城はありました。
お城といってもドーム状のその建物には2本の触角を模した角が生えています。
そこに住んでいるのはこの世界の悪い子達、ばいき○まんとどき○ちゃんです。
ばいきん○んの名前は土方、どきん○ゃんの名前は高杉といいました。
ばいきん土方の頭には黒い触角が二本、お尻にはしっぽが生えています。
どきん高杉は触角をモチーフにしたしっぽ付の帽子をかぶっており、スカートの裾からはやはり尻尾が覗いていました。

「オイ、ばいきん。茶。」
「そこで切んなコラ!!」

怒鳴りつけながらもばいきん○ん、こと土方は自分のために淹れていたお茶をどき○ちゃんこと高杉にも淹れてあげます。
ばいきん土方は律儀な性格なのです。
ハート型のテーブルに湯飲みを並べて置くと相手の向かい側のクッションに腰を下ろし、お茶をすすりました。

「つーかなんで俺が悪役なんだ、お前はともかくよ…」
「目つきが悪いからじゃねェの」
「テメーに言われたくないんだよっコラ!」
怒鳴り返すばいきん土方の言うように、どきん高杉のハートマークの入った眼帯に覆われない片目は、決して優しげとは言えません。
その片目を、ふんと鼻で笑うのと同時に細めてみせたどきん高杉はすぐに視線をテレビへとやってしまいました。
何も言い返してこないどきんにムッとしつつもそれ以上の追求はやめ、テーブルの真ん中に置かれた皿から醤油せんべいを取ったばいきん土方はおもむろに銃を取り出しました。
それはまよねーずシューターというばい○んまん開発のアイテムでした。
みんなのご飯をマヨネーズで美味しくトッピングする事を目的に開発したものです。
引き金を引いて醤油せんべいにトッピングを施し、ばいきん土方はそれをかじりました。
やっぱりマヨをトッピングすると一味もふた味も違います。
この幸せは独り占めしてはいけないものだとばいきん土方は思っていました。
ですから、このまよねーずシューターを使って、町のみんなのご飯を美味しくするのがばいきん○んが自らに課した仕事なのです。
しかし、そんな善意からの行動を邪魔する男がいるのです。
そう、それがあん○んまん…ばいきん○んの宿敵…いいえ、天敵です。
今日こそはあんぱん○んの魔の手から逃れて、みんなに美味しいマヨトッピングのご飯を食べてもらいたいと日々がんばっているばいきん○んなのです。
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