□猫系(更新中)
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ききっと屯所の前にパトカー止まる。
約一週間ぶりの帰宅、土方は今日まで、幕府の大使の警護班に派遣されていたのである。
エアポートまで職権乱用にもパトカーで迎えにきた山崎を、ご苦労と一言労って車をおりる。

地球の、屯所の空気はやはり肌になじむと一息ついて屯所の門をくぐれば、久しぶりの『鬼』の気配に屯所の空気はぱりっとする。
「副長っ!お帰りっす!」
「おう、車に土産あっから後で食えや」

まじ、ラッキーなどと騒ぐ隊士たちの横を通り抜けてとりあえずは局長に報告…と足を進めれば、どたどたという足音。
「ひっじかたさあぁぁぁああんっ!!」

「うおっ!?」
飛び掛って抱きついてきた総悟をなんとか抱きとめる。
「土方さん!!会いたかったですぜ」
「…あぁ…ただいま」

かっしりとしがみ付いてくる沖田の頭を撫でてやりながらやわらかくそう言ってやれば沖田にしてはめずらしい微笑を返してきたりするものだから土方としては照れくさい。

「副長と沖田隊長はラブラブだねーー。」
山崎が車から下ろしてきた土方の土産「ネコまんじゅう」を手に取りながら隊士がそう言えば、ぎろっと見やる土方とへらっと笑う沖田。

最近、この二人ができてる、などという噂が広まりつつある屯所では、『土方が沖田に手を出している』ともっぱらの評判だ。
その実、その逆で沖田が土方を抱いているなどと…誰が思おうか…。

はたから見ている分には、あーもーあんまりくっつくな、などと言いながらも沖田をかわいく思っている土方と、押しかけ女房沖田に見えてしまうのだった。

「ほら、総悟、俺近藤さんとこに報告行くんだから離れろ。」
「俺も一緒に行きまさぁ」
「何でだよ?お前用ねぇだろうが。」
「土方さんと片時も離れたくねんでさぁ」

歩き出す土方にひしっとおぶさったままの沖田を仕方なくくっつけたまま局長室に向かう土方は正にうんざりしつつも可愛い恋女房をほっておけないだんな様に見えたのであるが、隊士達から見えないところで土方の顔は赤くなったり青くなったりしていた。
耳元で、サディスティックな旦那様が「今夜は、『凄い』ですぜ…」などと囁いたからである。
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