□自己防衛法
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沈黙 。

「何で俺がお妙さんとの添い寝vよりも先に男と寝なければならんのだあぁぁぁぁあ!!」

「頼むよ近藤さん!!俺を助けると思って!!」

「男と添い寝なぞ断じてせんっっ!!」

別に添い寝しろとまでは言ってないが近藤はすでに話しを聞いてくれそうにない。

「出るんだよっっ!!俺の部屋‥‥!!」

ぴたりと、騒ぎ立てていた近藤が固まる。ぎぎっと土方に向き直る‥‥

「何‥‥?」

「出るんだよ‥‥なあ、おちおち寝てられねえんだよ、頼むよ。近藤さん。」

ちなみに「出る」のは幽霊でなく「沖田=強姦魔」である。近藤は完全に幽霊が出るのだと勘違いしてくれたらしい。幽霊も怖いが、今の土方の天敵はむしろ沖田、しかし沖田がでると言ったところで近藤にOKがもらえるはずも無く、すまねえ、近藤さん‥‥と心で詫びつつも半分だます形になってしまった。

「‥‥わかった、今夜からこっちに来い、布団を一組こっちに運ばせとく。」

「本当か!?恩に着るよ、近藤さん!!あ、俺、ソファでいい、全然平気だし。」

不謹慎とは思いつつ、なにか嬉しい、近藤さんがやっぱり好きなんだ、俺。

喜々として近藤の部屋を出て、とりあえず仕事をかたずけるために自室に向かう。
…良かった…これで安眠出来る。
しかも、近藤さんと…。
弁明をするならば、これはほのかな想いっていうか…総悟が俺にするようなことを…近藤さんとしたいとか、そんなんじゃねぇ。ただ大好きなんだ、一生くれてやるって…そう思って、コイツの側にいるんだ。
尊敬してるんだよ…。
憧れなんだよ…。

言い訳か…?これは言い訳なんだろうか…

「土方さん」

「…!?」
「なにそんなところに立ち尽くしてるんでぇ」

「…総悟」
言われてみれば土方の歩みを進めていたはずの足は、それを止めていて、すっかり考え込んでいたらしいことがわかった。
「いや…ちっと考え事…」
「助平なことですかい?」

「…お前と一緒にするんじゃねぇ…」
「随分な言いようだねぃ」

「…っ!」
沖田が土方の髪ごと耳を鷲掴みにして引き寄せ、無理に口づける…
とっさに土方は沖田を突き飛ばした。
「…ってめ!なにしやがる!こんなとこで…!」

突き放した時に沖田の爪が土方の耳たぶを傷つけたらしい
…ずくり、と痛みが差し込む…

「俺ぁ別にどこでだっていいんでさぁ…土方さん?」
「…!」

「土方さんが困るだろうから黙っててあげてるんでさぁ…本当ならスピーカーでふれまわりてぇくれぇなんですぜ?」

土方はこの自分のものだと…皆に思い知らせてやりたい…そして何より、この人自身にその身体も心も全てはこの俺のものだということを刻みつけたい…
「今夜、土方さんの部屋にいきやす…」
すっかり黙りこくってしまった土方にそっと囁く…びくっと土方の眼に動揺が走るのが解った。

「俺を…待ってて下せぇ…」

…………俺を想って待ってて下せぇ……。

それだけ言って沖田は土方がら離れる。

沖田がすっかり見えなくなって、張り詰めた緊張感を吐き出すように深く息をついた…
沖田は俺に選択の余地など与えないだろう…

また傷がずくりと痛んだ…
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