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□煙草(銀時編)
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じわりとにじむ怒りを見て取り即座に謝る。
「浮気者〜…」
恨みがましい目でパフェ用のロングスプーンをがじがじ噛む。
「…あーはいはい、ここおごるから、そんでいいだろ」
「酷いっ!俺の純真を弄んでおいて金ですます気っ!?スンマセンお姉さんチョコパフェ追加!!!」
「……。しっかり追加しながら文句言うな…」
半眼で土方が突っ込む。
「…ハニートースト蜂蜜多めとイチゴミルク追加!あとチョコフォンデュ!!」
お代が土方もちとなったのをいいことにがしがし注文する銀時
「………まぁいいけどよ…ιそんな食えんのか?」
「なにいってんの!多串君も食べるんだよ!」
「何!?」
話は思わぬ方に流れだした…
俺が甘いもん好きじゃないのは知っているはずだが…
「俺はいらねぇよ…。んなもん」
「いいから食えっ!罪滅ぼしと思って!!はい、あーんvv」
アイスクリームと生クリームとに、合成されました感がありありと漂う赤いソースがとろけるそれをスプーンに乗せて、ずいっと目の前に出される…
「できるかっ!」
俺は今隊服を着ている…つまり警官であることは一目瞭然…ただでさえ男二人で甘味処…目立つことこの上ないのにだ。
それを………あーん、って…
こっぱずかしい…!!
「拒否権なんてねーんだよ……」
じわりと怒気を放ちつつ、銀時は半眼でそういった…
背景は銀時お気に入りの甘味処でやたらとファンシー…手にはパフェを乗せた可愛い飾り付きのスプーン…
そして、逆らうのかてめぇ…というオーラのミスマッチ感が面白くもあり、恐ろしくもあり…
………うぅ…ι
固まる俺に銀時は一歩も引かない。
硬直状態が続く…
そしてこの状態が長引くほどに…まわりの視線を集めるわけで……
あうあう……ι
俺の視界には入らない後方からは、ちょっとあれ…とかなぜだかワクワクとした女のざわめき聞こえて来る……
おのれっ…感じわりぃ嫌がらせしやがって…
「そーか、口移しがいいのか、早く言えよそーゆう事は」
「…ちょっ!?待てι…くっ喰うから…ι」
慌てて否定したついでに約束してしまった…。