嗚呼、駄文

□‡地神の騎士‡
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「な……姉上が……トラキアに……?」


アルテナがトラキアにいるというフィンの話に、リーフは驚愕の色を隠せなかった。


「はい。あの槍は確かにゲイボルグ、十七年前に私が見たものと同じです。」


「じゃあ……じゃあ姉上は………トラバントに利用されているのか…!?」


「おそらくは、ノウ~ァの力を持った手駒として使う為に、国に連れ帰ったのでしょう。……あの男の考えそうなことです。」


フィンは心底トラバントを憎んでいるように言った。


キュアンとエスリンを殺し、アルテナまで連れ去ったトラバント。

リーフは怒りに震えていた。こんな事があっていいはずがない、許せるわけがないという思いが、リーフの頭の中を駆け巡っていた…………。


「ゆ……許せない……トラバント!!僕から両親を奪ったあげく、姉上まで自分の手駒にするなんて………!!」


「リーフ様、アルテナ様をトラバントから救えるのは、実の弟御である貴方だけです。貴方様の言葉がアルテナ様に届かないはずがありません。どうか…………。」


フィンは懇願するような目でリーフを見据えた。アルテナを救ってほしい、そんな思いを心に抱きながら……。


「分かっているよ、フィン。必ず姉上を、トラバントからこの手で救ってみせる!!」


リーフは力強く拳を握りしめた。その瞳には強い意志を宿していた。


全ては……明日の戦いにかかっていた……。
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