嗚呼、駄文
□‡地神の騎士‡
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あの一夜から翌日、解放軍はトラキア城から送り出された竜騎士団を相手に、ミーズ城付近で戦っていた。
そして、その竜騎士団を指揮していたのはアルテナだった……。
フィンはアルテナの姿を見つけると、傍らにいるリーフの方を向いた。
「リーフ様!あの方です!!」
「間違いないか!?」
「はい!!」
リーフはアルテナの方を向くと、張り裂けんばかりの声で叫んだ。
「姉上ーーーッッ!!!」
「!!?」
アルテナは驚いて、声がしたリーフの方に向き、リーフに向かって叫んだ。
「な……っ、姉上だと?!誰の事を言っている!!」
「アルテナ、貴方の事です!!」
「戯れ言を言うな!!私はトラキア王国トラバントの娘、アルテナだ!!おまえはいったい何者だ!!何故私を姉と呼ぶ!!?」
「わ、私はレンスターの王子リーフ!!貴方は我が両親、キュアンとエスリンの娘、レンスターの第一王女だ!!」
「私がレンスターの王女だと!?何を証拠にそのような事を!!」
「貴方が持っているその槍、それは我がレンスターの家宝、地槍ゲイボルグだ!!貴方は十七年前、私達の両親を殺したトラバントに、その槍と共に連れ去られたんだ!!!」
「う……嘘だ……嘘だ!!そんなはずが……そんなはずがない!!」
アルテナの叫びが、だんだん悲痛なものへと変化していった。
「姉上!!」
「……ッッ!!」
アルテナはまるでリーフの言葉から逃げるように、トラキア城の方角へ向き直り、そのまま飛び去って行った……。
「姉上………ッ!」
リーフはただ呆然とアルテナが飛び去って行った方角を見つめていた………。
「(アルテナ様………。)」
フィンもまた、リーフと同じようにその方角を見つめていたのである…………。