嗚呼、駄文
□‡地神の騎士‡
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バンッッ!!
トラキア城内のトラバントのいる部屋の扉が勢いよく開けられた。部屋の中にはトラバントとアリオーンがいた。そして、その開けられた扉から入って来たのはアルテナだった。
トラバントはアルテナが入ってくるなり、怒鳴りつけた。
「アルテナ!!また部下を置いてのこのこと戻ってきたのか!!この馬鹿者が!!」
その怒鳴り声に怯むことなく、アルテナはトラバントをキッと睨みつけた。
「父上!お聞きしたいことがあります!!私は……私は父上の娘ではないのですか!!?」
「…逃げ帰ったと思えば、何をそのような事を……。」
トラバントは心底落胆したような顔をした。だが、アルテナが次のような事を問うと、その顔は険しいものへと変化していった。
「あの槍は……父上が私に与えてくれたあの槍は地槍ゲイボルグなのですか!!?私は……父上が十七年前に殺したレンスターの王子夫妻、キュアンとエスリンの娘なのですか!!?教えて下さい!!父上!!」
数秒後、トラバントの口が開き、こう言い放った。
「……フッ……、どこでそれを知った。アルテナよ。」
トラバントの口元が不適に笑う。アルテナはその言葉を聞いた途端、顔色がだんだん蒼白になっていった。
「では……では父上は……私を…私の力を利用するために……。」
「その通りだ、アルテナよ。お前のノヴァの力を利用し、我が手駒とするためにな。だが、それがどうしたというのだ。むしろ、ここまで育ててやったのだ。感謝してほしいくらいだな。」
トラバントがこう言い放つと、アルテナは隠し持っていた短刀を出し、トラバントの元へ駆け出していた。その瞳はに憎しみの炎が燃え上がっていた。
「父上……いや、トラバント!!我が両親の仇、今ここで殺す!!!」