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□キミと一緒の帰り道
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「Σあ」「…あ」

お互いに、目があって。声を上げたのも同時だった。
学校からの帰宅途中、みちるの目の前に立つのはA-LOANの犬走全。

「えーと…、確かA-LOANの犬走さん…でしたよね?」

「こんにちは」とほわっと微笑むみちるに、思わず全の頬が赤くなる。
まさか予想外に、こんな所で会えるなんて。
彼にしてみたら、役得だった。


まぁ、当のみちるは全然さっぱり意識していないようだが。


「よ、よぉ、めがねっ子…偶然だなぁ!」

無駄に張り上げた声が、上擦ってるのが恥ずかしい位に自覚できる。

「そうですね。犬走さんも、学校帰りですか?」

も、と聞くという事はみちるも学校帰りなのだろう。
それにしては、随分と荷物が多い様だが…。

「ああ、俺もこれから帰り」

「こっちに向かって歩いて来たって事は、帰り道…私の学園のある
方向なんですか?」

尋ねられて、一瞬考える。

みちるが自分の進行方向から歩いて来た、という事は
彼女の帰る道は正に今、自分の歩いてきた方なのだろう。

「め、めがねっ子は?」

質問を質問で返すのもどうだろうと思ったが、みちるは全の問いに
「このまま、真っ直ぐです」と、全の歩いてきた方向を指す。
挨拶をして、そのまま帰り道を辿ろうとするみちるを、思わず彼が引き止めた。

まるで何も考えて無いけど。
でも、このまま別れてしまうのは惜しい気がして。
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