ワンピ長編夢V
□空島最終楽章
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空島。
スカイピア。
四百年続いた空の闘いが終わり、空島の未来は確実に幸せな道を歩み出した。
空の民、シャンディア。
二つの相容れぬ種族が、その隔たりを破り、在るべき平和を見つけたからだ。
そんな。
歴史的闘いに終止符を打ったルフィ達。
そろそろ青海へと出発の準備。空島最後の一日を各々過ごす事になった。
どん!
「よ―――し!」
「いよいよね♪」
「楽しみだ♪」
「早く行こうぜ!」
「…」
「…ふぁ〜……」
ルフィ達は円陣を組む。
眠そうなゾロも渋々加わり、ナミ達は気合いが入っている。
「よし!確認するぞ。
ナミとチョッパーとサンジ!お前等はおれと一緒に黄金取りに行くぞ!」
「もちろん♪」
「お―!」
「ナミさんは俺が守るからね―!」
「ゾロは見張り頼むな!
まぁ立ってればいっか。にししし!」
「…おお…?」
ゾロは首を傾げた。
ルフィは次々と確認をして行く。
「ウソップとロビンはどうすんだっけ?」
「俺は材料集めだ。空島にしかない資源を集めたいんだ♪」
「私は遺跡の調査をするわ。まだ気になる事があるから。」
ウソップとロビンは別行動。二人共、空島でしか出来ない事をする様だ。
「ティアラ!お前は?
ほんとに黄金取りに行かねぇのか?」
「行かない。
シャンディアの酋長に用事があるの。」
「そっか。」
「……」
ティアラも別行動。
ゾロはがっかり…と同時にまた心配。
「これで大丈夫だな!
いいかお前等!誰にもバレない様にずらかるんだからな。気を付けろ!」
「分かってるわよ。」
「静かに静かに…」
「楽勝だ。」
「よし!黄金奪いに―」
「声がでかいッ!」
「お前が一番気を付けろッつーのッ!!」
締まりの無い円陣。
掛け声も終わり、各組みがそれぞれに散る。
黄金組が数歩行った時。
ナミの悲鳴が響いた。
「嘘でしょ――――――――――……!!」
「…!?」
「何?」
「何だ何だ!」
ウソップ達は後ろを振り返り、黄金組を見た。
黄金組は、あのウワバミの前に居るではないか。
ルフィの次の言葉に、悲鳴の意味を理解する事になる。
「黄金はこいつの腹ん中にある。すっげぇ黄金がたくさんあったぞ!」
「腹ん中ッ!?」
「ぎゃぁぁあ!」
「よりによって…」
「ゾロ。おれ達が出てくるまで見張り頼むな。」
「…つーか…また入んのかよ。早く出て来いよ。」
「入るわよ!やるわよ!
黄金のためにッ!」
「ナミが燃えてる!」
「大丈夫です、ナミさん!俺が居ますッ!!」
黄金の在処。
それはウワバミのお腹の中だった。それを聞いたナミは顔を青くする。
が。
黄金のため。
お宝のため。
大金持ちのため。
ナミはその恐怖をやる気に代え、燃え始めた。
ゾロの見張り役は、このためにあったのだ。
ドキドキ…
「行くぞ〜♪」
「怖くない…」
「ひゃあぁ〜…!」
「変な気分だぜ。」
「溶かされねぇうちに出て来いよ、お前等。」
いよいよ。
ウワバミの体内へと入って行ったルフィ達。
そのやり取りを見届けると、ウソップ達も用事に出掛ける。
「うわあぁ―……
黄金組じゃなくて助かったぜ。あんな場所にあったとはな…!」
「ふふふ。
さすが黄金ね。簡単には手に入らないみたい。」
「…大丈夫かな…?」
「心配すんな!
ゾロも待機してるんだ。大丈夫だろ。じゃあな、俺はあっちだから。」
「私はこっち。じゃあね。長鼻君、ティアラ。」
「また後で。」
そうお互いに挨拶をして、別行動組も行動開始。
ウソップは空の民が休んでいる場所へ、ロビンは遺跡内部へ、ティアラは酋長のもとへ。
各々。最後の空島の用事を済ませに出掛けた。