ワンピ長編夢V

□裏切りと壊れた心
1ページ/19ページ







 信頼…
 誇りと地位…
 己の立場………


 守護戦士になって
 一族のために…
 一族の栄光と繁栄を
 守るために…

 それだけのために
 僕は生きてきた…
 それが…
 僕の生きる証であり
 それが使命だから…


 けど…
 それと同じくらい
 信じていたものが…
 僕にはある…
 いや…“あった”…









 “レオが謀反を…”









 僕は……
 誰よりも
 お前を信じていた


 お前を………
 信じていたのに……

 何故だ……!!
 何故………

















“ムカつく…”


 あの日を境に
 聞いた事がない…
 いつも口癖の様に
 言っていたのに…





“エア。
世界は広いんだ。
有り得ないとか…出来ないとか…そんな次元じゃねぇんだよな。”


 世界?
 世界なんて…
 興味なかっただろ?
 お前から…
 そんな言葉…





“もっと世界に目を向ければ…変わってただろうな。俺等一族は……”


 変わる?
 変わったのは…
 お前だろ……
 お前が変わったんだ…





“ただ―…”

“楽しかった…任務だと分かってても…あの冒険は楽しかった………”


 ………………
 変わったんだ……
 僕が知るお前は…
 いないのか……?









 冒険…?
 冒険だ……って?

 まるで
 奴等みたいな…
 海賊みたいな口振り…
 ……………




 楽しかった?
 奴等と一緒で?
 楽しかった…………
 ……………………
 ………………
 ………





 ……………
 ………
 ……
 何故……何故……
 謀反なんて…
 そんな事を………
 何故だ………!?





 …………
 あの日から…
 任務から帰ったら
 おかしかったんだ…

 それは…
 お前が過去を
 乗り越えたから…
 だと思った…
 けど…違うんだ…
 そうじゃないんだ…





 …………
 海賊に………
 奴等に………
 何か吹き込まれた…
 そうじゃないのか?

 お前は優しいから
 隙をつかれた…
 そうなんだろ?





 そうじゃなきゃ…
 あのお前が
 謀反なんて…
 そんな事を考えや
 しなかった筈だ!

 ましてや
 決行するなんて…!





 僕に…
 何も言わず
 何も相談もせず
 お前は…





 僕には分からない
 理解出来ない…

 お前が
 何を思って
 謀反を起こしたのか
 何がお前を
 突き動かしたのか…




 それが…
 奴等だとしたら…?
 それが…
 ティアラ様でも…

 僕はお前を……
 お前を……………!
 ……………
 ……!!………























 許せない…
 許したくない…!
 僕は…………
 どうしたら………
















 “………………”

 ……?
 え…………?



 “………”

 何だ………
 誰かが……
 僕を…呼んでる…?
 誰……………



 “…しよう?”

 何だって?
 もう一度…………




 “楽しい事を……”

 楽しい事?
 誰だ……お前は……





























 “エアだね…………”

 ああ…
 お前は誰だ?



 “ふふ…ふふふ…
 いい憎しみだ………”

 憎しみ…?



 “ふふふ…ふ……
 はははははは……
 嫉妬…嫉妬………”

 嫉妬……
 僕が…嫉妬?
 …………………




 “苦しいだろう?”

 ……………


 “辛いだろう?”

 …………………








 “エア……
 私の手をとれ……”

 何?


 “お前の苦しみを…
 理解出来るのは…
 私だけだ………”

 ……


 “さぁ…さぁ…”















“楽しい事をしよう…
 さぁ…………”













 僕は…………
 手をとった…………





*
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ