ワンピ長編夢V
□生きたいと言え
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司法の島。
本島内部・裁判所前。
わぁぁぁ…!!
「麦わらのルフィを見失いました!!」
「そんなバカな事あるか!衛兵が何人いると思ってるんだッ!!」
「探せ!探せ!」
「早くしろ!」
「長官からの指示はまだないのかッ!!」
「裁判所の中では!」
「おりません!」
「必ず奴を探し出せ―――――ッ!!」
ルフィ達の突撃で。
本島内部は大混乱。
スパンダムと連絡が取れない中、衛兵等や海兵等が大奮闘していたのだ。
まだ被害状況を知らないスパンダムは、後々後悔する事となる。
一人で先走りしたルフィは、衛兵等を次々と倒し進んで来た。そして、ついに裁判所前までやって来ていたのだった。
ゴォォ……
「よいしょ……ふ―。
あれが最後の建物だな…。はぁ…はぁ……」
衛兵達が気付く前に。
ルフィは裁判所建物の屋上へと辿り着いていた。
バンッ!!
「でも…道がねぇじゃねぇかッ!!」
そう。
裁判所からロビンがいるであろう建物は、島と島が離されている。
このままでは向こう岸に渡れない。ルフィが頭を悩ませていると、目の前に怪しい動きを見つける。
ズズズ………
「ん?…何だ??」
「“空気開扉・エアドア”。」
ガチャ…
ズズズズ……
「!!!あ!お前!
ハトの奴と一緒にいた牛!何だ今の!どうやったんだ!」
「………麦わら。
随分と情報と状況に違いがある様だ。被害状況が五人というのはない話だと思ったが……」
ルフィの前に現れたのはブルーノ。
ドアドアの実の能力者であるブルーノは、どんな場所にでもドアを作り、そこを行き来出来るのだ。
空気開扉。
これは空気にドアを作り、その空間を移動出来る様になる。
どん!
「“世界政府”始まって以来、前代未聞だぞ…。政府の玄関にここまで踏み込んで来た男は…!!いつまで暴れる気だ…」
「死ぬまで…!!」
「何……」
「ロビンはあの後ろの建物にいるんだな!そこどけよ!牛!」
「お前達はまだ気が付いていない様だな……」
「…?」
「これが“全世界的規模”の大犯罪だという事に。」
「………?」
二人の頭上に、世界政府の旗が風に揺れる。
世界政府の印が刻まれているそれは、何とも言えない威圧感さえ感じさせる。
「何が言いてぇんだ…」
「……」
ゴオォォ……
「全世界の海より…加盟国百七十以上の勢力を誇る、“世界政府”という巨大な組織が所有するこの島に。お前達が攻め入るという事は……その全ての国々に反旗を翻す事を意味する………!」
「………」
「政府はその威厳にかけて、お前達を一人残らず世の中への晒し者にして残酷な死を与えるだろう。たかだか数十人…余りに小さい力だ…!」
「おれはお前に!どけっつっただけだぞ!」
「俺は…どこうがどくまいがこの島の門をくぐったお前達に、もはや未来などないと伝えただけだ。」
巨大な力。
世界政府の権力と存在を、ルフィに語るブルーノ。
教えられたルフィに、そんな事は最初から関係はないのだ。
何故なら。
ルフィは仲間を取り返しに来ただけ、だから。
「闘いも無駄。
我々の大技“六式”ならば、ガレーラの屋敷で十分に見せた筈だ。貴様等との戦闘力の差もな…」
「そうだな…」
バキ…
バキ…!
「……でも…何でか。
今は……さっぱり負ける気がしねぇッ!!」
「!!」
ブルーノに突撃するルフィ。ルフィの先制攻撃に、ブルーノは余裕で構える。
「ゴムゴムの…」
「…“鉄塊”…」
ゴオォ…
「“回転弾・ライフル”!!!!」
ドゴォン!!
「…!!?」
ルフィの一撃。
前回同様。ブルーノは六式で受けとめる。
だが。ルフィの一撃は前回とは違っていたのだ。
ザザ……
「………!?」
《…何だ!この男…屋敷で戦った時はこんなに力はなかった筈…!!》
ゴオォ…
ドドドド…!!
「ゴムゴムの…!
“銃乱打・ガトリング”!!!」
「!!…“剃”!!」
ゴォォ……!!
ドゴォン!!!
「!!?」
「…!!」
オオオ…
ガララ……
ルフィの追撃に殴り飛ばされたブルーノ。前回とは違い、ルフィの力の強さに驚く。
「………!!」
「世界がどうとか、政府がどうとか!!そんなもん勝手にやってろ。」
ガラガラ…
パラ…
「おれ達はロビンを奪い返しに来ただけだッ!!」
「!!……」
吠えるルフィ。
仲間を助けたい思いが、そのままルフィの力になっている。
ブルーノは冷静になり、手を抜いていた自分を律した。ここからは本気。
ルフィvsブルーノ。
開戦。