ワンピ長編夢V

□バスターコール
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   ゴオォ…

  ダダダ……!!






「なぁ!ティアラ!
さっきまでそこにいたんだ!この階段を上って行けば、どっかでぶつかるはず!お前もそう思うだろ!?
ティアラ!」


   し―ん…


「そうだろ!」

   し―ん……


「おいティアラ!?
お前早く走れって行ったじゃねぇかよッ!もたもたすんな……あ?」



    くる…



「何だいねぇのか…って、えぇぇぇッ!?ティアラの奴どこ行ったッ!?」






ロビンを助けるため、ルフィはティアラと屋上に向かった筈。

だが。
振り向くと、後ろにいる筈のティアラがいない事にルフィは気付いた。





   ダダ……!


「ま、いいや!
何とかなんだろ!俺はロビンを助けるだけだ!
“正義の門”には行かせねぇぞ――!ロビ――――――ンッ!!」





一人。
ルフィはとにかく走る。
ロビンの元へ向かうのが先決と考え、全力疾走。

塔内でルフィ達は走る。
ナミ達は各々、CP9等と闘って勝つ役目がある。
その彼等を捜すために走り回り、ついに……。






    どん!

給仕室前廊下。
フクロウvsフランキー。

「チャパパパ―!
俺は噂が大好き“音無しのフクロウ”。チャパパ。鍵欲しいか?」

「くそッ―…!
コーラ補給前に……!」




    どん!

地下牢通路。
クマドリvsナミ。

「あいやしばし!
あしばし待ぁちゃ〜がれぇ〜いッ!よよい!」

「……!」
《うるさい……!》




    どん!

自室。
カリファvsサンジ。

「どうぞ、ごゆっくり。
お茶でも…入れましょうか…?」

「あ。お願いしまふ♪」




    どん!

庭園の様な部屋。
ジャブラvsそげキング。

「見た目と違って…いたぶる趣味はねぇからよ。」


「うわああああ!
あ…“悪魔の実”!?」

「“イヌイヌの実・モデル狼”!!」





走り回ったかいもあり。
全員が強敵と遭遇。

相手は世界最強の名を持つ殺し屋集団。制限時間ありの激闘。勝利を掴むため、いざ出陣。

そして最後の組。





   ゴオォ…

「…もう刀を抜いとるのか……」

「血を吸いてぇと唸るもんで。」




とある部屋。
カクvsゾロ。




「ロビンの手錠の鍵…。
持ってんだろ。敗られる前に渡すか?」

「愚問じゃ。
ガレーラの屋敷ではお前の真の実力を見れず、残念に思うとった。」


「あの時より数段強ぇんで…気ぃつけろよ。」

「じゃろうな……」



   チラ……



「じゃが…」
「…?」

「女連れとは。」
「!!」


「余裕か?
それとも…女の手助けが必要と悟ったか?」

「悟るかッ!!」


「のう?巫女。」
「…!」

「…………」





ゾロの後ろ。
まだティアラはいた。

咄嗟とはいえ。
手を離せなかった。
そのままゾロと塔内を走り、今に至る。あのゾロと走ったのだ、道が分からなくなったティアラ。





    ザ…


「いらねぇ心配だ。
あいつは闘わねぇよ。
てめぇは俺に倒されるんだから…なぁ?」

「…気が満ちとる。
魔獣の様な気が……。恐ろしい男じゃ。」


   キ…ン…


「…―が。
わしの剣術もCP9随一の実力。…甘くみるなよ。」

「二刀流か。」




と。
カクが刀を二本手に持つ。ゾロの言葉を受け、素早く両足を蹴り上げる。




   ヒュヒュ!
  ギギィン……!

   ズババ…!


「…!!」

「“嵐脚”。」
「………」


「悪いが四刀。」

「問題ねぇよ。全身武器だもんなぁ…そういや。」





飛ぶ斬撃。
…と、考えるのは一つ。





「…ティアラ…。」
「!…」


「なるべく動くな。
斬撃にビビるなよ…俺が全部どうにかする。お前はそこから動くな。」

「…平気。」





カクから目を離さず、ティアラに注意する。

守りながらの闘い。
ゾロは気合いを入れ、集中しようと睨みをきかす。





「ゾロ。」
「!…」


「気を付けて。」
「!」

「怪我は駄目。」
「!!」

「無理も駄目。」
「!…!…」


「あと…」

「ティアラッ!!
分かった、もう分かった!お前は自分の心配だけして待ってろ!」





背後から。
ティアラの声援。
顔が緩む。
顔が熱い。

この時。
ゾロは気付いた。
闘う姿を見せるのは初めてなんじゃないかと。





「…!……」

《く…ぅぁぁ―…
ティアラの声援が……、こんなにも…むず痒いとは…!》


《集中しろ…!!
戦場だ…闘いだ………!!いつもとは違う…ティアラがいるんだ。…怪我は絶対にさせられねぇ!!》





    だ…!

ゾロが先に動く。
カクの間合いに素早く突進する。カクもそれに合わせてさらに突進して来た。

互いに受け止め合い、カクが頭上からさらに追撃を仕掛ける。





    ギギン!
   ガギン…!!

   ヒュン……


「“七十二…”」
「“嵐脚…”」

「……」


    ゴォ…!


「“煩悩鳳”!!」
「“白雷”!!」





  ズバァァン!!!

飛ぶ斬撃のぶつかり合い。耳が痛くなる様な衝撃音に、ティアラは軽く耳を塞いだ。

この間にも。
二人の攻撃の手は緩む事はない。





    どん!

「わはは…楽しいのう。」

「俺は楽しむ時間なんてねぇんだよ。」



    バッ!



「じゃあ…わしを仕留める事じゃ!」

「…!!」
「……」


「“嵐脚”…乱!!!」

「!!」
《こうも斬撃を自在に………!》





カクの斬撃。
ゾロの頭上高くから、無数の飛ぶ斬撃の乱れ撃ちが降り注ぐ。

ゾロは避ける事なく、果敢に斬撃を弾き返す。





   ギギギギ!
  ドドド………!


「うおあぁぁぁ!!」

「…ッ!!」





すごい数の斬撃。
弾き返す際に生じる風圧に、ティアラは圧倒されてしまう。

吹き飛ばされぬ様に、ティアラはふんばる。
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