昔の詩
□香多里ノアの小さな物語
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香多里ノアの小さな物語!)自然少年
私が友達のいない中学校に入学したときの少年
*
「じゃあとりあえず、名前の確認をかねて出席とるぞ!」
という私の担任になった長野先生の話から始まった。
*
「17番、しんりん いちたけ?」
「もりばやし です。」
妙に声が近い。
あぁ、隣か。
”森林 一武”と書いてある机の上の名前をみた。
これ、「もりばやし」ってよむんだ。
私も「しんりん」って読むんだと思ってた。
「おぉ!そうか!ゴメン!ゴメン!」
平謝りして先生は次の名前をよんだ。
「これ”もりばやし”って読むんだね」
軽い気持ちで話しかけたら、イヤそうな顔された。
なんだ、このメガネ!
「よく間違いられるんだ。・・・名前なんてよむの?」
少し間をあけて話してきたので、少しおどろいた。
「ん?私?なんて読むと思う?」
「かたさと」
「ぶっぶー!残念だったね!しんりん君!
これは・・
*
「21番、かたさと ノア」
と、先生の声で会話がとぎれた。
「かたり です」
ちょっと不満そうに言ってみた。
相変わらず先生は
「おお!そうか!ゴメン!ゴメン!」
だって。
*
そして、二人で顔を見合わせて
クスクス笑ったんだっけ・・・。