昔の詩

□香多里ノアの小さな物語
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香多里ノアの小さな物語!)自然少年

  私が友達のいない中学校に入学したときの少年



「じゃあとりあえず、名前の確認をかねて出席とるぞ!」
という私の担任になった長野先生の話から始まった。



「17番、しんりん いちたけ?」
「もりばやし です。」
妙に声が近い。
あぁ、隣か。
”森林 一武”と書いてある机の上の名前をみた。
これ、「もりばやし」ってよむんだ。
私も「しんりん」って読むんだと思ってた。

「おぉ!そうか!ゴメン!ゴメン!」
平謝りして先生は次の名前をよんだ。

「これ”もりばやし”って読むんだね」
軽い気持ちで話しかけたら、イヤそうな顔された。
なんだ、このメガネ!
「よく間違いられるんだ。・・・名前なんてよむの?」
少し間をあけて話してきたので、少しおどろいた。
「ん?私?なんて読むと思う?」
「かたさと」
「ぶっぶー!残念だったね!しんりん君!
これは・・



「21番、かたさと ノア」
と、先生の声で会話がとぎれた。
「かたり です」
ちょっと不満そうに言ってみた。
相変わらず先生は
「おお!そうか!ゴメン!ゴメン!」
だって。



そして、二人で顔を見合わせて
クスクス笑ったんだっけ・・・。
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