Darkness ≠ Shining 2

□第二章 悲劇
1ページ/12ページ

1人の少年が歩いている。

暗い緑色の髪で痩せ型ですらっとした感じを思わせる美形の少年だ。

服は黒1色でまとめられており、腰や胴体、右足や左腕には金色に縁取られた黒い革製のベルトが蛇のようにたくさん巻き付いている。

右だけ袖の部分がちぎれている長袖シャツと左がやけに破れてぼろぼろなズボンにはピンク色の血の雫の模様があり、シルバーのラメで縁取られた白い筆記体の文字が際立っている。

右腕に付けたこれまた黒のリストバンドにはシルバーの炎をまとった骸骨の頭のアクセサリーが付いていた。

『…最近の人間共は良い服を創るようになったな』

歩きながら軽くうんうんと頷いている。

言うまでもない。

『四大王』で唯一『闇の「帝」王』と呼ばれる男、ダークマスターだ。

実はこんな服を好む癖に着流しや和菓子、焼酎といった風流も好む。

「…ぬ?」

足元に何かまとわりついてきたのでダークマスターは足元を見る。

見ると小さな黒猫だった。

思いっきり蹴っ飛ばしいたぶっても良いのだが(本来ならこっちを選ぶであろう)、下手に近くを通る人間の目についてはいけない(もう既に服装で目立っているが)。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ