REBORN!

□【V.D】
2ページ/6ページ

「…だからバレンタインって何なんだよ?」

「イタリアにはねーの?」

「ねーから聞いてんだろーがッ」

山本は一瞬驚愕した表情をしたがすぐに説明をしだした。

「年に一度、好きな男にチョコあげる日だよ。基本は手作りだけどな!まぁ、男の一大イベントみたいなもんだ」

「フーン」

(だから女子が騒いでた訳だ…)

それにコイツもモテるし、沢山貰うんだろーな……チラリ、と隣で暢気に笑ってる山本を見て、自分の考えにヘコみ溜息を吐く。

そんな俺に気づかずに山本は、

「あっ、俺甘いモン好きなんだよなー…」

とか言い出した。

わざとらしく横目で見られたって誰がやるもんか、と反論してやろうかとも思ったが極力相手にしないことにする。

「…あそ」

「冷たいのなー。好きな子から手作りチョコ貰えれば幸せなのに…」

「テメーは魂胆見え見えなんだよ」

ケッと舌打ちをしてやる。

だが、奴は真剣な表情で。

「バレンタインを甘くみちゃいけないぜ?アイドルなんかファンからトラック3台分とか貰うんだからなー」

「へー、それなら10代目は飛行機単位で貰えるだろ!素敵だぜ、10代目…!!」

「それはないだろー」

苦笑する山本に腹が立ったが、10代目はモテるのだと信じているから何も言わないでおく。

「そんで、チョコくれんのか?」

「女子が騒いでたってことは女子の行事だろ?やんねーよ」

「チェッ」

ガクリと肩を落とす山本が気にかかったが、気づけばもう別れ道の曲がり角で、

「もっと一緒にいようよ」

「今日、ダイナマイト仕入れ日だから無理」

甘えるようにまとわりつく山本の腕を引きはがし、軽く頬にキスをしやった。
冷えきった頬から唇を離せば、驚きで固まる奴の表情が目に入る。

「…何、目見開いてんだよ。ばーかッ」

照れ隠しに悪態を吐き、俺は硬直する山本に背を向け走った。






++
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ