REBORN!

□【V.D】
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「ありがとうございましたー」



店員の軽快な決まり文句に見送られコンビニを足早に後にした。


「…ダイナマイト売ってないから仕方なかったんだ」


ぶつぶつと呟きながら改めて袋を見つめる。
中には“手作り用”と書かれたチョコレートの固まり。

密かに胸を渦巻く自己嫌悪。


(ぜってー、店員に怪しく思われたよな…)

今にも顔から火が出そうなくらい恥ずかしくて泣きたくなったが、実際まとめて買った方がチョコは安く、チョコ好きにはお得な話だ。

自分は自覚がないまま子供が好きだったように、実はチョコが大好きで、自分用に買ったんだと思いこむことにした。

一応チョコは作るが、あくまで自分用であり、余ったのを仕方なく山本にやる。


(……別に、これはアイツのペースなんかじゃない…)



はぁ、と漏れる溜息。



ドアノブを捻り鍵をかけ、普段身に纏うことなどめったにないエプロンを台所の棚から取り出す。


それを着用し、いよいよ作るって時になって、動きが止まってしまう。

無造作に置かれたコンビニ袋に手をかけるが。


「……チョコを作るってったけど…」

溶かして型にはめて、固める。


(…それだけで良いのか?)

ふと、疑問に思う。


料理なんか殆どすることはない。
溶かして固めただけのものを手作りと言えるのだろうか。

少し不安に思ったが、

「ま、簡単だし良っか♪」


自己完結させ、取り合えず煙草に火を付け、鼻歌なんか唄いながらチョコ作りを開始した。







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