REBORN!
□┣Traitor┫
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ツナの額に、
獄寺の心臓に、
互いに突きつけ合う銃。
獄寺の瞳からは涙が今にもこぼれ落ちそうで。
『…獄寺君』
『ごめんなさい10代目…』
『俺,分かってるつもりだよ?』
『…えぇ。これっきりにしますから,最後の我儘に付き合って下さい』
『しょうがないなぁ』
ツナは獄寺の心情を読みとり、フッと力を抜き銃の引き金を握りなおした。
┣Traitor┫
「よっ,獄寺」
「や,山本…?」
ノックされた扉を開ければ、そこには山本。
10年ぶりの再会。
「元気してたか?」
「何でテメェがイタリアにいるんだよ…。突然訪問するところは変わってねーな」
「獄寺も変わってないぜ」
言って、頬に手を添えてくる山本の腕を振り払う。
「玄関先だぞ」
「なら,入れてくれよ」
「帰れ」
「もう入っちゃった♪」
勝手に部屋へと入り、獄寺の部屋を見渡す。
殺風景な部屋は、昔住んでたマンションと同じようにモダンに統一された家具。
相変わらずの獄寺の生活感の無さに山本は安心するように笑った。
黒皮のソファに腰掛け、ごく自然に獄寺を自分の隣へと誘導する。
「…獄寺,ちょっと昔話をしようぜ?」