□優しいぬくもり
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うるさいのは好きではないだが、まったく嫌な気はしない。
何故だろうと一瞬だけ考え込むがすぐに止めた。
おそらく考えても答えは出てこない。
今日までずっと考えて、いまだに答えが出ていないのだから。
それを今更、考え込んでも無駄だろう。

「…本当にわからない奴だ」
「what?なにかいった?」
「別に…それより引っ付くな、風邪をひいても知らないぞ」
「だからヘーキだってばぁ、大丈夫ネ!!」

今いったばかりだというのにマックスはまた強く抱きついてきた。カイは呆れて今日何度目かのため息をついた。
それでもやっぱり嫌な感じはしない。
いつからだなんて覚えてはいない。
気がついたらマックスが心地いいと感じていた。
理由など分からない、ただそれがないと落ち着かない。
声が聞こえない、笑顔が見えない。
たったそれだけの事に心がざわつき、苦しくなる。
認めてしまえば楽なのだろうが『これ』が一体なんなのか自分は知らない。
考えるのは止めた、でも認める事も出来ない。
矛盾しまくりの自分の思考や想いに苦笑する。



分からないから諦めた訳ではない。


分からないから拒んだ訳ではない。



きっと胸の奥底では答えは出ているはず。
だから、あとは自分がそれに気づけばいいだけの事だ。



「まぁ、『バカは風邪をひかない』からな」
「な!?僕、バカじゃないネ!!」



END

*しばまる様のみフリーとしてお持ち帰り可能
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