文章置き場

□闇へーー
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「やっと迎えに来られたよ」
暗い闇の中の彼女の背後で、切なく懐かしい声がした。振り向くとそこにはーー

「ア、アリババ殿…」

全身恐ろしい形相をした鎧に身を包んだアリババがそこにはいた。しかしアリババは、昔と変わらぬ顔で、彼女に微笑みかけた。
「久しぶり。心配かけたね。」
遠く離れながらも、彼の半身として苦しみを分かち合ってきた彼女にはわかっていた。彼はもう天使ではない。私の知っている神帝隊のアリババ殿ではない。魔界君主・デュークアリババだと。私を真の闇の世界へ連れて行こうとしている。…だけど!
「今、俺はある星を平和に導く為に、昔の仲間と戦っているんだ。  ……君の力を貸してほしい。」

彼女は、ずっと望んでいた 償いを。あなたのために力になることを。そのためなら何でもできる!
「ええ、もちろん。共に参りますわ。」

魔界君主は、明星クィーンに魔剣をさしだした。
「この剣をあげるよ。この剣はね…」

その剣で、親しい天使を刺し殺せば、魔界君主と同じ悪魔になれるという。
「そうよ、この剣は私の過去を…聖身を断ち切る   剣…」
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