文章置き場

□光の季節
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ーーー出会った時から、皆が空の一部になるまで、彼は信じていた。この協調の時代を8人が全員で迎えられると。 
「……どうしてこんなに重いんだろう、この鎧は…」

聖魔大戦中は、重さなど感じずに飛び回り、戦ってきたというのに。
ーーこの重さはきっと、七人の想いの重さ。七人の仲間の平和への願い。

 彼は、ふと自分の理球「光」を取り出した。神帝たちが皆持っていた、それぞれの故郷の力を持つ理球。神帝たちは、その理球の力と自らの生命そのものを燃やし、絶対壁を打ち破る弾丸となって次界創造の為の架け橋となった。
 
「光(きみ)は、この世界に無くてはならないもの。光があれば、幻だった次界に新たな霊(いのち)が生まれ、豊かな大地に夢が遊動する。そのために今、君の光で僕たちを久遠域へ導いてほしい」

 それが最期を覚悟した仲間たちからの願いだった。

・・・・・・彼は久遠域へ向けて、レインボー聖色光を放った。神帝たちはその光に乗り・・・・・理球と共に大空へ溶けた。・・・・・・・・・・・・・・共に次界を目指して来た彼の目の前で。

その瞬間から歴史と世界は大きく動いた。


そして、今・・・・、「あの時」が世界からは「過去」になりつつある今。同志を失った彼の理球は、消えそうな程の淡い光を放っていた。
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