文章置き場

□寂〜shizuka〜
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寂〜shizuka〜水仙域・牛若編

どこまで歩けば、どれだけ願えば辿り着けるの?

遠い昔 夢に見た幻の郷






気が付くと彼が居たのは、草花が生い茂る空気のきれいな場所だった。
「・・・う・・・。あれ、私は・・・」
軽い脳震盪を起こしたGD牛若は、ふらつく体を起こした。同行していたマルコやヤマトの姿はそこにはなく。

「おーい、みんなどこですか〜っ?」

答えはない。だが、そこの空気は澄みきっており、何故か安心感を覚えた。それどころか懐かしさまで込み上げてくる。咲き誇る花は初めて見る種類だ。故郷である次界にはない種類なのだろうか。

・・・・ここは一体・・・・。

「道に迷ったの?」
不意に背後から声をかけられた。少し驚いたものの邪悪な感じはしない。

「え、ええ、ちょっと仲間とはぐれて・・・・」
答えながらGD牛若がふりむくと。
そこには黄金の象を模ったサークレットを被った、金色の天使が立って居た。・・・・私はこの者を知ってる・・・・?

「あ、あなたは・・・・」
「ん?」

「いえ、すみません・・・」
牛若は言葉を飲み込んだ。やはり知らない者だ。しかし何故だろう、一瞬誰だか知ってる者に思えた。

「こんにちは。仲間とはぐれちゃったの?」
金色の天使がたずねる。
「そうなんです・・・。あの、ここは?」
とりあえず牛若はここがアクアなのか否かを確かめたかった。すると

「ここは水仙域(ダファドルーム)って言うんだ。思い出と願いが集うエリアだよ。」

アクア層ではないのか・・・・。これは本格的にはぐれたな・・・。
「着いてきなよ。案内してあげる。ちょっと行ったところに休める場所があるから。」
牛若はにわかに警戒したが、「きっと君の力になれるよ」
という、その金色の天使を信じて着いて行った。


―――――――――――遠い記憶、今よみがえれ―――――――――――
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