文章置き場

□忠臣(前編?)
2ページ/5ページ


「くっそー!どうしたらいいんだ!」
タケルは壁を叩いた。
「せっかく幻次界に来たって言うのに、なんの役にもたててないじゃねえか!」

「やはり、ゼウス様やデビルが居なくては戦力がたりないのです」
カンジーはつぶやいた。しかしゼウスとデビルもまた、和合軍がいない間の聖魔和合界を、凶悪魔の攻撃から守るために和合界に残ったのだ。神代の力を持つ二人がいれば、おそらく聖魔和合界はなんとか持ちこたえられるだろう。

「すまねえなあ、ダーツと親父さん。せっかく呼んでもらったのに、大した戦力にならなくてよ」
バカラは言った。

「・・・いいえ、居ていただけるだけで心強い。あなたたちが来てくれなかったら、幻次界の民はもっと犠牲になっていたはずだ」
マルコネオンは答えた。「しかし・・・・さすがにもう我々も限界ですかな」と小さな声でこぼしたのが聞こえた。

もう、これ以上逃げ場がない。あるとしたら、こことは反対の方角にある、マルコネオンの城の下に作った大きな避難所だけだ。しかし、そこには戦う力のない幻次界の住人が密かに隠れ住んで居る。
そこに彼らが移動したら、地獄絵図が広がる事は火を見るより明らかだった。


その時。最後の砦である岩山の外に、三神官の声が響いた。
「正義かぶれの天使共、その天使たちと共謀する牙の抜けた悪魔共。そこに居ることは分かっているぞ。さあ、最後の祭りといこうか!!」





「・・・・・・バカラ様」
さっきからずっと考え込んで居たポーカードが口を開いた。
「今一度、私の封印を解いてくださいませんか」

「・・・・・・!!・・・ちょっと待て」
「待ってなどいられる事態ではないと存じますが。」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ